Project/Area Number |
19K14914
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 19020:Thermal engineering-related
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
山田 崇 芝浦工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (90791947)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2019: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | エレクトロウェッティング / 表面張力 / 接触角現象 / 酸化チタン / スパッタリング / 界面制御 / 液滴移動 / ヒートパイプ / ドライアウト抑制 / 濡れ性制御 |
Outline of Research at the Start |
半導体電子機器の小型化・高密度化は,その急激な発熱密度上昇に対する放熱技術を必要とする.ヒートパイプは高伝熱効率を有する冷却デバイスとして広く用いられている.しかし,小型電子機器組み込みのための小型化に対応する時,表面積/体積比の増加により毛細管限界の低下から熱輸送量が低下し,ドライアウト発生の危険性も増加する. 本研究は,エレクトロウェッティングを用いたヒートパイプ内部の液相(液膜)形状制御技術を確立することでヒートパイプ内部の濡れ性の最適化を図り,液相内の凝縮部から蒸発部への還流の促進,毛細管限界の向上,ドライアウト現象抑制を実現し,ヒートパイプの更なる小型化・高性能化を達成させる.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,全くの新規研究であり,今年度は,エレクトロウェッティングによる常温・常圧時における液滴の形状制御に必要な条件解明に重点を置いた.小型電子機器への応用を考えると,できる限り低電圧で起きることが望ましく,この点についても検討を行った. エレクトロウェッティングは電極板に形成された誘電体層上に置かれた液滴に電圧を印加することにより,その接触角・挙動が変化する現象であり,誘電体の膜厚の値をできるだけ小さくかつ比誘電率の大きい誘電体膜の材料を使用することで,非常に低い電圧で液滴の接触角を変化させることが可能となる.これは本研究の成立に対して非常に重要なことであるため,その検討・作成に,本年度の研究活動の大半を費やした. 試行錯誤の末,スパッタリングにてチタン薄膜(100nmオーダー)を作成した後,常温の大気中に7日間程度放置することで,その極表面に酸化チタン薄膜を形成させたものが,本研究目的に対しては最適なものであることを見出し,液滴にNaCl 1.0wt% 水溶液を用いたとき,印加電圧1.3Vで約30°の接触角減少を達成し,また絶縁体を介して正極(+)と負極(-)にそれぞれ帯電させた2枚の電極板の誘電体表面上にまたがって置かれた液滴は,正極から負極の方向にすることを実験により確認した. 今後,微細な溝(ウィック)構造などを併せて施すことで,液滴移動に指向性(方向,位置など)が高められ,本構造がヒートパイプ内部に適用された時に,その目的である「液相内部の継続的な流動の実現」も現実味を帯びてくる重要な研究成果が得られたと考えられる. 本研究は全くの新規研究であるため,論文投稿や学会発表等については行うことが出来なかったが,上記した極めて重要な成果が得られたことにより,来年度以降の研究進捗に一定のめどが立ち,今後,研究成果を基とした論文投稿などの活動に取り組むことが出来ると思われる.
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