金属腐食反応を対象としたメカノケミストリー加速分子動力学シミュレータの開発
Project/Area Number |
19K15318
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 26050:Material processing and microstructure control-related
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮崎 成正 東北大学, 金属材料研究所, 特任助教 (60782167)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
|
Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2019)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
|
Keywords | 腐食 / 水素脆化 / 分子動力学法 / 計算科学 |
Outline of Research at the Start |
金属材料において塑性変形と化学反応が相互作用し生じる応力腐食割れや孔食は低荷重での予期せぬ事故につながりうる。そのため腐食メカニズムの理解を通じた安全管理が求められ、そこでメカノケミストリーという概念のもと速度論、塑性力学、電気化学、熱力学といった様々な角度からの理論が提案されてきた。本研究ではメカノケミストリーで培われた理論を、自由エネルギーをブーストした時間加速手法を分子動力学法へ適応する。そこで腐食反応の素過程を解析対象として、原子スケールでの動力学的観点からだけでなく熱力学的観点からも解析できるシミュレータを開発し、腐食メカニズムの明らかにすることを目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
金属材料において塑性変形と化学反応が相互作用し生じる応力腐食割れや孔食は低荷重での予期せぬ事故につながりうるため、腐食メカニズムの理解を通じた安全管理が求められ腐食メカニズムの理解を通じた安全管理が求められる。本研究課題では金属材料の応力腐食割れといった現象を解析対象として、ReaxFFの化学反応力場かつ変形場のもとで転位・不整合界面・多結晶粒界および酸化被膜といった金属材料の欠陥付近での原子論的振る舞いを解析可能なモデリング手法および解析手法の構築に取り組んだ。モデリングに関する取り組みとして、百ナノメートルサイズの微細な結晶粒を定量的に再現した多結晶粒界のモデリングのため1億原子以上のサイズのモデルを構築可能な計算環境を整備した。また高温高圧水環境において金属表面において厚さ1~2ナノメートル程度の酸化被膜をモデリングする手法を獲得した。解析手法として、粒界といった材料欠陥を再現した超大規模モデルを対象として大容量メモリを扱いつつ高速で解析可能なシミュレータを作成した。また鉄・ニッケル・クロム合金といった合金元素と水素・酸素といった元素との化学反応を再現可能な多体原子間のReaxFFパラメータを作成した。これらのモデリング手法およびシミュレータを用いて、多結晶チタンにおける応力腐食割れ現象を解析した結果、表面の酸化被膜と内部金属と粒界面の境界より割れが発生することで粒界割れを引き起こすことを明らかにした。またFeNiCr合金における応力腐食割れ現象を解析した結果、表面の酸化に伴い発生した水素が粒界に沿って合金内部に侵入することで粒界付近での局所的な相変態を伴う塑性変形が生じることを明らかにした。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)