Project/Area Number |
19K15950
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 41050:Environmental agriculture-related
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
大出 亜矢子 北里大学, 獣医学部, 助教 (00814203)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2021: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2019: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
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Keywords | Unmanned Aerial Vehicle / 泥炭分解度 / 非計量多次元尺度構成法 / 強熱減量 / C/N比 / 高位泥炭 / ビッグデータ / UAV / LiDAR / Synthetic Aperture Radar |
Outline of Research at the Start |
泥炭湿地は、環境変化に対する脆弱性から世界中で縮小や消滅が報告されている。既往研究は泥炭湿地の構成要素である土壌や水理の相互作用に対して科学的知見を提供するものの、国際的課題とされる湿地の消失現象そのものを焦点とするメカニズム解明はされていない。有効施策の実現には、泥炭湿地内部の挙動のみならず、人間系を含む外的環境要因との相互作用の解明が求められる。本研究は八甲田山湿原群を対象に、UAVと衛星により取得した広域な空間情報と周辺環境情報を統合し、八甲田湿原群の泥炭生態系データベースとして構築する。機械学習を組み合わせたデータ駆動型アプローチにより要因間の相互影響の解明に挑む。
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Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、無人航空機(Unmanned Aerial Vehicle(UAV))に搭載したセンサによる検知可能な泥炭地環境内の変化量を整理し、泥炭湿地研究において適用すべき空間情報の取得方法および分析方法の標準開発に取り組んだ。具体的には泥炭地環境内の変化量とは、地表面の池塘の水質、植生および泥炭分解度を対象とした。融雪後の2019年6月から10月の間に取得した多時期の空撮画像を用いて湿地内の池塘面積の増減量を明らかにし湿地内の地表面の水の空間的挙動をとらえた。また池塘の水質の分布に着目し、UAVによる簡易な水質評価モデルの開発に取り組んだ。複数のバンドの分散からpHがある程度推定可能であることが示唆されたものの、精度向上が課題として示された。また、UAV搭載センサにより取得した情報を用いた植生分類法を検討した。具体的には、非計量多次元尺度構成法(Nonmetric Multidimensional Scaling(NMDS))により複数の実測指標から植生を分類し、UAVの空撮画像から分類に有効な因子を抽出した。さらに合成開口レーダの差分干渉波解析により広域の泥炭土壌の挙動をとらえ、そのデータとの照合のため、特徴的な植物群落から泥炭を採取し、分解度指標として強熱減量とC/N比を測定した。過去の湿地内の改変履歴による泥炭層の分解状況への影響を把握するため、排水路及び農道から採取地点への距離と、分解度指標との関係性を検証した。この結果、田代平湿原においては、ミズゴケ植生の泥炭において最も顕著に排水路から距離が近くなるにつれ泥炭の分解が進んでいることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度はおおむね予定通り、空間情報の取得方法および分析方法の標準の開発に取り組むことができた。この結果は学術雑誌への投稿を進めている。また2020年度は新たに衛星画像の解析結果とフィールドで取得したサンプルの分析結果とを合わせて分析を進め、論文として公表をする予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、2019年度の結果から整理したゾーン別に現地での試料採取を行う。採取した試料から、より詳細な土壌分解度指標を測定し取得した空間データとのマッチングを行う。また、対象地域周辺の産業連関表や環境統計データ等を整理し、解析データと統合するデータベースのプラットフォームを構築する。
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