ブタの精漿が子宮の局所免疫および全身免疫に及ぼす影響と受胎性に関する研究
Project/Area Number |
19K15963
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 42010:Animal production science-related
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
奥山 みなみ 大分大学, 医学部, 助教 (50756781)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | 豚 / 受胎 / 精漿 / 免疫 / 子宮内膜 / PBMCs / PMNs / 末梢血単核球 |
Outline of Research at the Start |
妊娠の成立・維持には、子宮における母体免疫が攻撃性と寛容性のバランスを保つ必要がある。近年、精漿中の成分が交配時に子宮内膜に作用し子宮における免疫機能を調節し、受胎性に関与することがわかってきた。そこで本研究では、精漿を利用したブタの繁殖成績の向上を目指し、精漿がどのように子宮に作用し受胎性を向上させるのか、その免疫系の制御メカニズムを明らかにすることを目的とする。そのために、全身性の免疫変化にくわえ子宮内局所での免疫応答を調べ、最終的に繁殖成績とあわせて評価する。本研究の成果により、新たな不妊治療の開発や家畜の生産成績の向上につなげることができると期待できる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠の成立・維持には母体が非自己である胚を受け入れる必要がある。そこで子宮では、母体免疫が攻撃性と寛容性のバランスを保ち維持される。近年、精漿中のタンパク質が交配時に子宮内膜に作用し、子宮における免疫機能を調節し受胎性に関与することがわかってきた。そこで本研究では、精漿を利用したブタの繁殖成績の向上を目指し、精漿がどのように子宮に作用し受胎性を向上させるのか、その免疫系の制御メカニズムを明らかにすることを目的とする。本研究では(1)発情~受胎成立における全身性の免疫変化、および(2)子宮内膜細胞の培養系における精漿への局所応答、を調べ、最終的に(3)生体への精漿投与によりおこる局所および全身の免疫反応を繁殖成績とあわせて評価する。 現在までに、成熟雌豚の排卵前後に採取した末梢血単核球(PBMCs)において、サイトカイン発現変化の動態を調べ、発情から受胎成立初期にかけての全身性の免疫変化を明らかにした。またin vitroにおいて、これまでにホルモン感作を受けていない未成熟雌豚より得たPBMCsにおいて、精漿に対しTh1由来のサイトカイン発現が低下し、一方でTh2由来のサイトカイン発現が上昇することを明らかにした。加えて、炎症性のTh17細胞由来のサイトカインおよび制御性のT-reg細胞由来のサイトカイン発現についても解析を進めた。更に現在、末梢血中の多核球PMNが精漿感作の初期反応でどのような動態を示すのか、解析を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、成熟雌豚の排卵前後に採取した末梢血単核球(PBMCs)において、サイトカイン発現変化の動態を調べ、発情から受胎成立初期にかけての全身性の免疫変化を明らかにした。またin vitroにおいて、これまでにホルモン感作を受けていない未成熟雌豚より得たPBMCsにおいて、精漿に対しTh1由来のサイトカイン発現が低下し、一方でTh2由来のサイトカイン発現が上昇することを明らかにした。加えて、炎症性のTh17細胞由来のサイトカインおよび制御性のT-reg細胞由来のサイトカイン発現についても解析を完了し、現在は末梢血多核球(PMN)が精漿感作に対しどのような初期反応を示すのかについて解析を進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
ここまでで明らかになった免疫細胞(PBMCおよびPMN)の精漿への反応を軸に、子宮内膜細胞との相互関係を明らかにしていく。特に、交配時に最初に精漿に暴露される子宮内膜上皮細胞と免疫細胞との応答に着目し解析を進めていく。 in vivoの実験系については。通常の発情周期中のリンパ球の動態を調べるとともに、妊娠初期における変化を明らかにすることで、受胎成立のメカニズムの解明を目指す。
|
Report
(5 results)
Research Products
(4 results)