生態系における雌雄差の重要性 - 寄主の雌雄差がもたらす波及効果を解き明かす
Project/Area Number |
19K16229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 45040:Ecology and environment-related
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Research Institution | Kobe University (2022) Kyoto University (2019-2020) |
Principal Investigator |
辻 かおる 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (40645280)
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Project Period (FY) |
2021-11-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 雌雄差 / 花蜜内微生物 / 送粉 / 結実 / 種子分散 / 酵母 / 細菌 / 花 / 微生物 / 植物 / 花蜜 / 植食 |
Outline of Research at the Start |
性別による違い(雌雄差)は動植物に広くみられ、同種の中での、雄同士の戦いや、雄と雌の関わり方などから、なぜ雌雄差が進化したのかが調べられてきた (進化学的視点)。しかし、生物は多様な種の生物と相互に影響を与えあうため、雌雄差の進化を理解するには、他の種との関係を知る必要がある。そこで、雌雄異株植物ハマヒサカキとヒサカキを材料に、雄花と雌花の違いが、花蜜に住む微生物や、花に訪れる昆虫たちにどのような波及効果をもたらすのかを解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
花の蜜には、酵母や細菌などの微生物が棲んでいる。中でも、花蜜内酵母Metschnikowia reukaufiiと花蜜内細菌Acinetobacter boissieriは訪花性昆虫により分散しており、ヒサカキでは雄花と雌花で出現率が異なることが分かっていた。これら微生物がヒサカキの繁殖成功にもたらす影響を調べるため、微生物を花に導入する実験を行った。その結果、雌花に細菌A.boissieriを導入すると、酵母M.reukaufiiを導入したときに比べて、結実率や結種子率が増加した。さらに、結種子率が高い果実ほど大きく、早く熟すこと、ヒサカキの果実を食べ、種子を分散するメジロやヒヨドリなどの小鳥は、大きく熟した果実を好んで食べていることが明らかになった。この研究により、花に棲む微生物は結実率や欠種子率を変化させ、植物の繁殖成功に影響を与えているだけではなく、果実の大きさや成熟を変化させることで間接的に種子散布にも影響を与えていることが世界で初めて明らかになった。また、微生物による結実や結種子の変化は送粉性の双翅目などの行動の変化を介したものであることが示唆されている。これらのことから、ヒサカキの花蜜に見られる雌雄差は単に、花蜜に棲む微生物群集の形成に影響を与えるだけでなく、その微生物群集の違いは送粉性昆虫に波及し、その結果ヒサカキの繁殖成功が変わること、引いては、種子散布を行う果実食の小鳥にまで影響を与えている可能性まで分かってきた。これらの成果はBasic and applied Ecologyに掲載予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(18 results)