アズレンを有するN,N-ジアリール型芳香族アミドの立体構造と環境応答
Project/Area Number |
19K16323
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 47010:Pharmaceutical chemistry and drug development sciences-related
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Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
伊藤 愛 昭和薬科大学, 薬学部, 講師 (00353491)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | アズレン / アミドの立体優先性 / 結晶構造 / 複素環 / 芳香族アミド / 立体優先性 / 環境応答 / 分子スイッチ |
Outline of Research at the Start |
構造式は、分子の形や性質および反応性を理解する上で非常に重要であるが、その分子の立体構造を構造式のみから予測することは非常に難しい。分子の三次元立体構造は、機能発現に大きくかかわっており、構造式から分子の立体構造を予測・制御することができればその機能を自在に制御することが可能となり、それは医薬だけでなく様々な分野において重要な手がかりになると考えられる。 そこで本研究課題では、生体内分子の構成要素であり、柔軟な構造変換が可能なアミド化合物に着目し、分子の立体構造の予測と機能制御を目指し、N,N-ジアリール型アミドの立体優先性を決定する要因と外的環境による立体制御について検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、タンパク質の構成要素でもあるアミドの相互変換に着目し、5員環側が負の、7員環が正の性質を示すアズレンを組み込んだN,N-ジアリール型芳香族アミドの立体構造特性に関する知見を通じて、芳香族アミド化合物の立体優先性に基づく分子の予測・制御を目指している。 これまで、一連のアズレンを組み込んだN,N-ジアリール型芳香族アミドの合成を行い、これらの結晶および溶液中における立体挙動について検討した。これらの解析結果から、アズレンを組み込んだN,N-ジアリール型芳香族アミドの立体優先性は、アミド窒素上の2つの芳香環の電子密度差に依存するものの、アミド窒素上の芳香環の大きさの違いによるアミドカルボニル周辺の立体環境変化により大きく影響を受けていることが示唆された。そこで、アミド窒素上の芳香環の大きさが芳香族アミドの立体優先性に与える影響について明らかにするため、環サイズの異なる複素環をアミド窒素上に導入した複素環含芳香族アミドをデザインし、これらの立体構造特性について検討した。複素環含芳香族アミド化合物は、これまでに報告している合成法に基づいて合成し、良好な収率で得た。合成した化合物についてNMRおよびX線結晶構造解析を行った結果、溶液および結晶中における立体構造が明らかとなり、アミドカルボニル周辺の立体環境に関する新たな知見が得られた。現在、これら化合物の系統的な比較解析を通じ、環サイズの違いによる芳香族アミドの立体優先性への影響について検討を行っている。また、複素環をアミド窒素上に導入したN,N-ジアリール型芳香族アミドに関する構造解析から、分子内相互作用による立体構造の安定化への寄与を明らかにし、さらにその度合いを見積もることができるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまで、COVID-19感染症拡大防止に伴い研究活動が大幅に制限されたため、計画に遅れがでていたが、徐々に実験を再開することで研究の進行状況も戻りつつある。また、当初は、2022年度に本研究成果について発表を行う予定であったが、学会等の開催が不安定であったため、積極的に行うことが出来なかった。以上の理由から、更なる研究の進行と成果発表を行うため、研究期間を再延長した。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19感染症の状況は、一進一退を繰り返しているものの、感染拡大に対する対応は以前に比べ緩和されつつある。これにより、研究の遂行も以前のように行うことが可能となっており、これまでに得られた解析結果を基に一般則確立に向けた考察を進めていく。また、学会等の開催も徐々に元に戻っており、積極的に研究発表を行う予定である。
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Report
(4 results)
Research Products
(7 results)