Project/Area Number |
19K16530
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 48040:Medical biochemistry-related
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
坂井 千香 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, 研究員 (90622845)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | がん微小環境 / 制御性T細胞 / ミトコンドリア / 代謝 / がん免疫療法 |
Outline of Research at the Start |
現在がんの新しい治療法として注目されているがん免疫療法は患者の免疫応答を強化し、がん細胞を攻撃・排除する。しかし全身の免疫応答を過度に強化してしまうと自己免疫疾患等の副作用がある他、臨床試験で十分効果が認められない治療法も多い。 そのため本研究は新しいがん免疫療法の開発を目的とした。より効果的で副作用の少ない免疫療法として、従来とは異なる作用機序で、かつ腫瘍局所に限局して作用する薬剤候補を見出す。そこで免疫担当細胞の細胞内エネルギー代謝に介入して働きを調節し、さらに限局した作用を実現するため腫瘍局所における細胞内エネルギー産生基質に注目して解析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
大腸癌、胃癌患者の腫瘍に浸潤したリンパ球のうち抗腫瘍活性のあるエフェクターT細胞(Teff)とその働きを抑制する制御性T細胞(Treg)についてエネルギー代謝に用いる栄養基質を調べた。 従来の腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の解析はTILを単離後に培地中で培養して行ったり、数時間にわたるソーティングによりサブセットに分離してから行うことが多かったが、本研究では腫瘍からリンパ球を単離後に速やかにフローサイトメーターによる解析を行うことで、代謝基質を解析した点で従来の研究と異なる。その利点としては、栄養リッチな培地等にいれることによる外部から取り入れた栄養基質の影響を受けずに腫瘍局所における状況をより反映した解析を行うことが出来る点である。 実際の解析ではこれまで明らかではなかった以下の知見が得られた。Tregでは腫瘍局所に蓄積している乳酸を栄養基質として使用しており、乳酸へエネルギー産生を依存する細胞の割合がTeffと比較して有意に高いことが分かった。さらに末梢血では乳酸をエネルギー基質に使用しているサブセットは認められなかったことから、腫瘍局所で特異的な代謝に依存するTregを選択的に標的としたがん免疫療法の開発につなげることができると考えられる。
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