Project/Area Number |
19K16906
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 51030:Pathophysiologic neuroscience-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹澤 祐介 東北大学, 大学病院, 助教 (10837793)
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Project Period (FY) |
2022-12-19 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 脳性麻痺 / 頭部MRI画像異常 / 全エクソーム解析 / 病的バリアント / 機能解析 / データシェアリング / MRICS / 満期産脳性麻痺 / 網羅的遺伝子解析 / トリオ全エクソーム解析 / マイクロアレイCGH / 頭部MRI / 病的遺伝子変異 |
Outline of Research at the Start |
脳性麻痺とは乳児期までに形成される非進行性の脳障害に起因する運動と姿勢の発達の異常を包括する疾患概念である。近年ではその一部に遺伝学的異常を同定した報告が相次いでいる。申請者らの先行研究でも頭部MRIに疾患特異的な異常がない満期産脳性麻痺症例17例のうち9例で病的意義を持つ遺伝子変異が同定された。本研究では頭部MRI画像を正常を含む様々な画像所見をタイプ別に分類した満期産脳性麻痺に対して全エクソーム解析やマイクロアレイCGH解析などの網羅的遺伝学的解析および機能解析を行い、満期産脳性麻痺群の遺伝学的背景を明らかにする。本研究により満期産脳性麻痺の発症機序解明と治療法開発の促進が期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
満期産脳性麻痺患者のDNA検体の収集を申請者の所属する東北大学病院小児科のみならず、同院と協力関係にある宮城県立こども病院、八戸市民病院などでも行った。2015年4月から2023年9月までに脳性麻痺様の症候を示す症例で宮城県立こども病院神経科に通院し何らかの遺伝学的解析を行った症例、もしくは東北大学病院小児科で遺伝子解析を行なった症例のうち2023年9月までに91症例で結果を得ている。44例に病的バリアントを疑う遺伝子変異(30種類)、1例の染色体微小重複を認めた。脳性麻痺分類ごとの遺伝子検査陽性率はそれぞれアテトーゼ型57.1%(4/7)、痙性対麻痺49.3%(35/71)、痙性四肢麻痺100%(2/2)、片麻痺66.7%(2/3)、混合型0%(4/4)、失調型66.7%(2/3)、低緊張型100%(1/1)であった。痙性対麻痺ではKIF1Aを8例、SPASTを6例認めるなど脳性麻痺のタイプと検出された遺伝子には一定の傾向を認めた。 本実績は2024年5月に開催される小児神経学会学術集会で口演発表予定である。 その後もさらに症例の蓄積と解析を行なっており、症例数はさらに拡充される予定である。 頭部画像はMRICSに則った形で分類し、画像分類と遺伝学的異常についても解析を行うことで脳性麻痺症例の病型、画像と病的バリアントの関係が明らかとなり、今後の病因解明や治療につながる重要な示唆が得られることが期待される。 またそれにより脳性麻痺および類縁疾患の治療法の開発を促進し予後の改善に寄与することができると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脳性麻痺症例及び遺伝学的解析症例は順調に蓄積されているが、データ分析や統計解析、病的バリアントの確認や必要な機能解析の検討については計画よりも若干遅れている。 その要因としては研究代表者の海外留学による研究の一時中断があったこと、また復職が年度途中になったことで年度単位で考えると当初の予定よりも従事する研究時間が想定より下回ってしまったことが挙げられる。さらには機能解析を行うべきと判断される病的バリアントが現時点では認めていないことも当初の想定とは異なる点である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後については引き続き当科や宮城県立こども病院と連携し、当科所属の大学院生や研究助手の助力を得てデータ収集と遺伝学的解析とデータ分析を進めていく。新知見が得られることが期待される病的バリアントを認めた際には施設内外を問わず連携し機能解析を行う方針である。
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