Project/Area Number |
19K16915
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 51030:Pathophysiologic neuroscience-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
梶 誠兒 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (90830141)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | オリゴデンドロサイト / α-シヌクレイン / 多系統萎縮症 |
Outline of Research at the Start |
申請者らは昨年度の研究課題の成果として、ラット初代培養細胞によるMSA細胞モデルのRNA sequencing解析を通じて、α-syn細胞内凝集体がもたらす様々なOLGの神経保護作用減弱を明らかにした。特にα-synによるOLG系細胞の分化障害はOLG機能障害とそれによる神経細胞死の一因と考えられた。本研究では昨年新たに発見された未熟なOLGマーカーに注目し、患者脳及び同細胞モデルを通じてMSAにおけるOLG機能障害の機序解明と病態改善因子の同定を試みる。また当研究室で作成したMSA動物モデルを使用し、分化改善因子による神経保護効果を検証、MSA治療薬としての臨床応用を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは以前よりラット初代培養オリゴデンドロサイト(OLG)系細胞にヒト遺伝子組み換えα-synuclein(α-syn)フィブリルを投与することによる機能解析をRNA-seqを通じて網羅的に解析を行ってきた。申請者らは大腸菌による遺伝子組み換え蛋白精製において問題となりうるリポポリサッカライドを大幅に除去(<0.035 EU/μg・α-syn蛋白)することに成功した。このプロセスを通じてRNA-seqを再検証しており、現在解析結果待ちの状態である。 加えて以前の初代培養細胞による解析結果からα-synがOLGの分化障害に働くことが明らかとなったことから、近年未熟なOLGマーカーとして報告されたbreast carcinoma amplified sequence (BCAS1)蛋白に対する抗体を用いてヒト及び初代培養細胞における分化とα-syn凝集を考察した。その結果、多系統萎縮症(MSA)患者脳においてリン酸化α-syn凝集体の存在はBCAS1細胞の分化において形態学的な変化をもたらすことを明らかにした。また一部のMSA患者脳のBCAS1細胞にはリン酸化α-syn凝集体がすでに観察されていること、初代培養細胞を用いたBCAS1細胞への遺伝子組み換えα-synフィブリルの投与実験においても同様な現象が再現されることを明らかにした(投稿準備中)。これらの結果はBCAS1細胞がオリゴデンドロサイト前駆細胞と同様にα-syn凝集体の伝播に関わる可能性を明らかにするとともにBCAS1細胞の分化障害改善がMSAにおけるOLG機能改善に結びつく可能性を示唆するものと考えた。 申請者が2019年12月より海外の研究室に異動となったことから研究の一時中断申請を行っているが、帰国後は申請時に計画したin vivo MSA modelでの検証結果を踏まえた考察を行う予定である。
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