アルツハイマー病モデルの神経・グリア由来エクソソームによる認知機能制御機構の解明
Project/Area Number |
19K16933
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 51030:Pathophysiologic neuroscience-related
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Research Institution | Asahikawa Medical College (2022) Ritsumeikan University (2019-2021) |
Principal Investigator |
松田 孟士 旭川医科大学, 医学部, 助教 (00804759)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | アルツハイマー病 / モデルマウス / 認知機能障害 / 行動解析 / エクソソーム / 神経細胞 / グリア細胞 / 神経炎症 / 認知症 / アミロイドβ / リン酸化タウ / 老化 / 学習・記憶機能 / 記憶・学習機能 / 神経・グリア |
Outline of Research at the Start |
アルツハイマー病では、アミロイドβやリン酸化タウといった病原タンパク質が脳内で凝集・蓄積することによって神経細胞が障害される。また、タンパク質を含有するエクソソームはそれらの疾患関連分子の細胞間伝播に密接に関わり、大規模な神経ネットワーク(回路)障害や認知機能障害の誘因になり得る。本研究では、アルツハイマー病モデルマウスの認知機能が障害されるとき、神経細胞あるいはグリア細胞からエクソソームによって他細胞にどのようなタンパク質がどのように伝播されるのかを調べることで、アルツハイマー病における神経・グリア由来エクソソームによる認知機能制御メカニズムを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
神経変性疾患であるアルツハイマー病では、アミロイドβやリン酸化タウといった凝集性の高いペプチドやタンパク質が脳内に広く蓄積することによって神経細胞の構造や機能が障害される。また、各種のRNAやタンパク質を内包するエクソソームはそれらの疾患関連分子の細胞間伝播や脳内で徐々に進行する高凝集性タンパク質の蓄積に密接に関わり、脳内で大規模な神経回路障害を引き起こして認知機能障害の誘因になり得る。本研究では、認知機能障害をもつアルツハイマー病モデルマウスを用いて、認知機能障害の発症時に脳内の神経細胞あるいはグリア細胞からエクソソームによって他細胞にどのようなRNAまたはタンパク質が伝播しているのかを調べる。それにより、アルツハイマー病における神経細胞またはグリア細胞由来のエクソソームによる認知機能制御メカニズムを明らかにする。 当該年度では、新奇物体認識試験やモリス水迷路試験など複数の行動実験を行って確立した認知機能障害が認められるいくつかのアルツハイマー病モデルマウスの脳組織と血清サンプルを用いて、アルツハイマー病に関連するアミロイドβやリン酸化タウの蓄積などの脳内の病理変化およびグリア細胞の活性化などの炎症反応について詳細な解析を進めた。また、認知機能障害発症前あるいは認知機能障害がみられないマウスのサンプルと比較して、認知機能障害を有するアルツハイマー病モデルマウスで凝集性の高いタンパク質の蓄積やグリア性の炎症反応が有意に増大していた脳領域とその病態を詳しく調べた。また、それらの脳組織および血清サンプルを用いて、神経炎症に密接に関わるものを含めアルツハイマー病に関わる疾患関連RNA・タンパク質の発現量を定量的に詳しく解析した。当該年度に引き続き、次年度も採取した認知機能障害をもつアルツハイマー病モデルマウスの脳組織および血清サンプルを用いてエクソソーム解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
複数の行動実験により認知機能障害が認められたいくつかのアルツハイマー病モデルマウスの脳組織において、凝集性の高いタンパク質の蓄積などの病理変化やグリア性炎症反応の病態について免疫組織化学染色による詳細な解析が進んだ。また、それらのアルツハイマー病モデルマウスの脳組織および血清サンプルを用いて、アルツハイマー病に関わるアミロイドβやリン酸化タウといった高凝集性の疾患関連タンパク質や神経炎症に関わる炎症性サイトカインなどの発現量について定量的な解析が進んだ。一部のエクソソーム解析を含む実験において、やや遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究でも引き続きエクソソーム内のRNA・タンパク質それぞれに対する高感度測定系を用いて、認知機能障害発症前または認知機能障害がみられないマウスと認知機能障害をもつアルツハイマー病モデルマウスの脳組織および血清サンプルのエクソソーム内における各分子の存在量の詳細な解析を進める。それらを通じて、アルツハイマー病モデルマウスの認知機能障害に密接に関わるエクソソームの分子病態の解析を進め、アルツハイマー病の新たな認知機能障害の発症・進行メカニズムの解明を試みる。
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Report
(4 results)
Research Products
(15 results)
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[Presentation] ヒト白色脂肪細胞からのアディポネクチンおよびレプチン発現に及ぼすアンギオテンシン受容体拮抗薬 (ARBs) の効果2020
Author(s)
山田彩人, 青木茉菜, 釣田渉生, 中辻竣哉, 辻侑季, 田路彩佳, 徳善由深, 山本雄太郎, 澤田将輝, 松田孟士, 服部尚樹
Organizer
第70回日本薬学会関西支部大会
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