Project/Area Number |
19K16974
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52010:General internal medicine-related
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
梅澤 夏佳 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (90801530)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2019: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 多発性筋炎 / 皮膚筋炎 / マクロファージ / パターン認識受容体 / IL-23 |
Outline of Research at the Start |
多発性筋炎、皮膚筋炎は自己反応性リンパ球を中心とした免疫抑制療法が行われてきたが、治療反応性が不十分であったり治療による有害事象が多く存在することから、新規の治療法開発が必要である。本計画では、病変における筋細胞死が導く自然免疫系細胞に注目し、局所に存在する病態悪化のマクロファージを患者の筋生検検体から採取してsingle-cell RNA -seqにより解析して同定する。また介在する分子としてパターン認識受容体に注目して解析することで、新規治療法の開発を行う。 本研究により、筋に特徴的な炎症環境の形成や新規の治療法を提唱することが可能となりうる。
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Outline of Annual Research Achievements |
1)傷害を受けた筋線維由来の液性因子がマクロファージからのIL-23産生を誘導するかをin vitroで検証した。マウス骨髄由来マクロファージ(BMDM)を培養し、筋炎動物モデルから採取した筋組織のホモジェネートを添加して、培養上清中のIL-23をELISA法で測定した。BMDMは、M-SCFで培養後に IFNγ、IL-4、IL-10、IL-13等のサイトカインでpolarizationさせ、幾つかの条件を置いた。ホモジェネートを添加する前の段階で、classically activated に近いIFNγ+LPSなどで培養した上清中では、IL-23の産生が見られ、このような系ではホモジェネートの添加により上清中のIL-23濃度は低下した。また、他の条件のBMDMを用いた場合の上清中のIL-23の産生量は軽微であった。筋組織のホモジェネート内に細胞の活性化状態について抑制的に働く分子も含まれている可能性や、上清中のIL-23測定では感度が劣る可能性が考えられた。
2) 1)の結果を受けてホモジェネートは使用せず、IL-23誘導に関与すると予測しているC型レクチン受容体のリガンド分子のリコンビナント蛋白をBMDMに添加し、IL-23の産生についてはフローサイトメトリーでIL-23の細胞内染色を行った。当教室で筋炎モデルで病態に関与することを示したHMGB-1や、Zymosan等複数のC型レクチン受容体のリガンドによる培養で、IL-23の産生誘導を確認することができた。IL-23産生の評価系として、FCMでの細胞内染色が有効と考えられた。
3) 2020年度までに1検体行った患者筋生検検体由来のマクロファージのsingle cell RNAシークエンスについては、患者検体からの細胞単離は行ったものの、シークエンス予算の見通しが難しく、ライブラリー作成まで到達しなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度はin vitroの系を用いたマクロファージからのIL-23産生誘導を中心に進めたが、最も重要と考えていた傷害筋由来の液性因子を用いた結果、抑制的な分子も含まれている可能性を示唆する結果となった。また、実施したin vitroの系はマウスのマクロファージを用いた系であり、ヒトのマクロファージを用いた系は、ヒト筋細胞株(当初の計画では同じ研究室内で入手可能な見込みであった)が入手できず、進めることができなかった。 傷害筋を用いた系は実施した結果予想と反していた点では順調と言えないが、リコンビナント蛋白を用いた系ではIL-23の産生が誘導でき、2020年度に遅延していた分についても当初計画した流れに追いつき進めたが、標的としているC型レクチン受容体の阻害実験まで達しておらず、全体としてはやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
ex vivoの傷害筋由来の液性因子については、様々な因子の混在が考えられ予測通りの結果が得られなかったため、T細胞による抗原特異的なマウス筋細胞株のnecroptosis誘導の系からの培養上清を用いて、筋傷害とMPからのIL-23産生誘導の関連につき検証し、C型レクチン受容体の阻害を行うことでその関与を検証する方針である。 また、フローサイトメトリーでのIL-23の細胞内染色は再現性が高く安定した評価系として今後も使用できる可能性があり、マウス筋炎モデル由来のMPのサブセット解析として、マルチカラーでの表面抗原と細胞内IL-23染色を行えるよう系を確立する方針である。 ヒト検体を用いた検証は限られる見込みだが、上記の検証からC型レクチン受容体の筋炎病態への関与について検証をすすめる。
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