サルコペニアにおける(プロ)レニン受容体/Wntシグナル系を介した機構の解明
Project/Area Number |
19K16994
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52010:General internal medicine-related
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Research Institution | Okinaka Memorial Institute for Medical Research (2020) Tokyo Women's Medical University (2019) |
Principal Investigator |
吉田 尚弘 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (30644893)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | サルコペニア / (プロ)レニン受容体 |
Outline of Research at the Start |
サルコペニアは健康寿命が低下し長寿社会における介護負担の主因となるため国民の重要かつ深刻な課題であるが、未だ病態について不明点が多く有効な治療手段はない。 サルコペニアと関連のあるWnt/βカテニンシグナルを(プロ)レニン受容体[(P)RR]が制御することが報告され、今回加齢マウス・高齢者の骨格筋で(P)RRの発現上昇を認めたため、(P)RRがサルコペニア発症に寄与するという仮説のもと(P)RRを高発現させた遺伝子改変マウスを作成したところ、骨格筋でWntシグナルが活性化され、典型的な加齢性骨格筋萎縮の表現型を示した。 このマウスを用い本疾患の病態解明および治療戦略の創出を目指した研究を立案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
全身に(P)RRを発現させた遺伝子改変マウス((P)RR-Tgマウス)を作成したところ、3ヶ月齢の同マウスでは野生型マウスと比較し、著しい体重減少を呈し、著明な速筋優位の骨格筋萎縮・筋力低下を呈していた。 速筋優位である腓腹筋の組織学的解析では、筋線維の大小不同、核の増加、中心核、間質の線維化がみられ、筋組織の破壊と再生が繰り返されていることが示唆された。また、TNFα, IL-1β, Col1a1, Col3a1の遺伝子発現が上昇しており、炎症、線維化の亢進が確認された。また、野生型マウスと比較し2b型筋線維(速筋)の数が著明に減少していた。また、p16, p21などの老化マーカーが亢進しており、β-カテニン経路も著明に活性化していた。 そして、Wntシグナル阻害薬DKK-1の投与により(P)RR-Tgマウスで認められた炎症、線維化、老化マーカーの亢進は有意に抑制され、筋重量は有意に増加した。 さらに、(P)RR-Tgマウスおよび加齢マウスに、(P)RRとWnt受容体のLRP6との結合を阻害する(P)RR中和抗体を投与することで、カルジオトキシン投与による筋損傷後の骨格筋再生能は改善した。 また、(P)RRを安定発現させたC2C12筋芽細胞では、活性化β-カテニンの上昇による筋分化能の低下が認められた。 最終的に、(P)RR-Tgマウス、加齢マウスおよび高齢者の速筋においてYAPシグナルが亢進しており、(P)RR-TgマウスにYAP阻害薬Verteporfinを投与することでWntシグナルに影響なく筋萎縮が改善し、DKK1投与によりYAPの下流のターゲット遺伝子のAnkrd1, CTGFの発現が抑制されたことから、Wntシグナルの下流においてYAPシグナルがサルコペニア発症に関与していることが考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)