Project/Area Number |
19K17083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52030:Psychiatry-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
湯川 尊行 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (40761151)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 統合失調症 / 死後脳 / へパラン硫酸鎖 / へパラン硫酸プロテオグリカン |
Outline of Research at the Start |
本研究では統合失調症患者群と対照群における各脳領域におけるへパラン硫酸プロテオグリカン(Heparan sulfate proteoglycan : HSPG)の量的差異をウエスタンブロット法を用いて明らかにする。HSPGはHeparan sulfate (HS)鎖あるいはコアタンパクに対する各種抗体を用いて、ウエスタンブロット法による検出が可能である。前頭前野、海馬、帯状回、尾状核、聴覚野の各脳領域において、HS鎖と4種のコアタンパク(シンデカン、グリピカン、アグリン、パールカン)に対する抗体を用いてウエスタンブロットを行い、シグナル強度を比較することにより定量解析を行う予定である。
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Outline of Annual Research Achievements |
へパラン硫酸プロテオグリカンは、コアタンパクにグリコサミノグリカンの一種であるへパラン硫酸鎖が共有結合した糖タンパクである。脳内の細胞膜表面および細胞外基質に存在し、シナプス形成や軸索伸長等の神経発達や神経可塑性の制御に重要な働きを担っており、統合失調症の病態生理と関連が深いと考えられているパルブアルブミン陽性抑制性GABA神経細胞の活動を制御するシグナル経路との関連も知られている。 本研究は統合失調症の病態生理と脳内へパラン硫酸プロテオグリカンの関連を解明するため、統合失調症患者死後脳の前頭前野、海馬等の脳領域におけるへパラン硫酸プロテオグリカンの量的変化を、ウエスタンブロット法を用いて解析しようとしている。 へパラン硫酸プロテオグリカンはへパラン硫酸鎖あるいはコアタンパクに対する各種抗体を用いて、ウエスタンブロット法による検出が可能である。前頭前野、海馬等の各脳領域において、へパラン硫酸鎖とコアタンパク(シンデカン、グリピカン等)に対する抗体を用いてウエスタンブロットを行い、シグナル強度を比較することにより半定量解析を行う予定である。 令和5年度は、へパラン硫酸鎖とコアタンパクをウエスタンブロットで検出するための予備実験を行った。また、予備実験と並行して、上記の半定量実験の対象サンプルの収集を進めた。 令和5年度は統合失調症患者と対照例の前頭前野をそれぞれ7例ずつ収集し、これらを対象としてウエスタンブロットによる解析を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者が、令和3年度から診療所の院長職に就き、研究に費やせるエフォートが予定よりも少なくなった。また、研究協力者の異動などのため、研究代表者にかわり、実験を行う者もいなくなった。このため、実験の実施が困難になった。また、新型コロナウイルス感染症流行の影響から、予定通りにサンプル収集を進めることが出来なかった。これらのことから、研究の進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、引き続き、ヒト脳内へパラン硫酸プロテオグリカンを対象とした解析を進めるとともに、並行して、ヒト死後脳サンプルと、対照実験を実施するために必要なラットの脳サンプルの収集を行う。 上記のサンプルを用いてウエスタンブロットを行いシグナル強度を比較することにより半定量解析を行い、論文投稿および学会等での研究成果の発表を行う予定である。 サンプル収集に関しては新潟大学脳研究所からの支援を受け、実験の一部については新潟大学の教員、大学院生、技術補助員等から協力を得られる見込みであり、引き続き本研究を推進すべく協力体制を維持していく。
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