Project/Area Number |
19K17311
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
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Research Institution | Japan Women's University (2022) St. Luke's International University (2019-2021) |
Principal Investigator |
平田 倫生 日本女子大学, 家政学部, 教授 (60769636)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2021: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2019: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
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Keywords | 新生児呼吸障害 / 食道インピーダンス / 胃食道逆流 / 人工呼吸 / 新生児 / 呼吸障害 / 胃食道逆流現象 |
Outline of Research at the Start |
新生児では、生まれたあとに呼吸障害が長引くことがしばしばある。これは、出生時の肺からの肺水(羊水)の排泄の遅延や肺サーファクタントの欠乏や分泌不全がその主な原因であるが、以前より胃食道逆流現象による誤嚥もその一因として挙げられていた。しかし、今まで新生児では胃食道逆流自体の証明が技術的に難しかった。 本研究は近年成人領域で使われ始めた食道インピーダンスを利用した新しい逆流検査法を応用し、新生児期の胃食道逆流の実態を解明することで、臨床での新しい治療戦略の基礎データを収集することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、当初本研究計画においての最終年度を予定していた。しかし、3年にわたるコロナパンデミックの直撃により、新生児医療は大きな影響を受け、おのずとこの研究計画も、特にデータ収集の段階で大きな影響を受けた。また、それに主任研究者の本務地の変更もあり、結果として研究の遂行に大幅な遅れを生じた。そのため、やむを得ず最終年度の延長を申請した。 現在、得られたデータについて詳細な解析を行っている最中である。現時点では、当初の仮説とは異なる結果が得られている。つまり、早産低出生体重児において、当初その遷延する呼吸障害と潜在的な胃食道逆流の強い関連を疑って研究を開始したが、蓄積されたデータからはおおむねその関連性は薄く、障害が遷延するケースとそうではないケースでは逆流の程度に差がないことが明らかになった。また、逆流の程度がかなり重いケースで、必ずしも呼吸障害の重症度が高くなってないという所見もある。つまり、逆流そのものよりも、胃内胃酸濃度などほかの要素が呼吸障害本体とは関連している可能性がある。 引き続き、さらに食道壁の基礎インピーダンス(主に静止時)に注目して、正常児との差を既存の先行研究で得られている値と比較する解析を実行中である。この解析によって呼吸障害を引き起こしやすい児の食道インピーダンス値がある程度つかめれば、個々の新生児のインピーダンスをあらかじめ測定することにより、そのリスクを予測できるかもしれない。ただし、基礎インピーダンスの値は、各種条件により変化しやすいため、その基準値の設定には困難が予想される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナパンデミックの直撃を受け、データ収集を行った医療機関での対象児の入院数、入院児扱いのポリシーによる影響で、検体収集に大きな制限を受けた。そのため、目標数の70パーセントの時点で収集を断念して、総合的な解析に入っている。 解析開始後も、当初の仮説を否定する結果が続き、仮説の設定の再検討を余儀なくされている。現在は、インピーダンスの基礎値に注目して再解析中である。 得られた貴重なデータを最大限生かすためにも、踏み込んだ解析により、新生児呼吸障害を遷延させる因子を、食道の側面から見出していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の通り、単純な胃食道逆流の程度(回数や解剖学的高さ)と新生児呼吸障害の遷延に関連はなさそうである。今後は、それぞれの胃酸pHの程度、食道静止時の壁インピーダンスの基礎値の比較を行って、病児について何らかの共通した傾向はないかを探っていく。 可能であれば、何らかの前向きな指標の提示を含んだ結果を論文として発表したいと考えている。
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