潰瘍性大腸炎を惹起する初期血管透過性亢進のメカニズムの解明
Project/Area Number |
19K17414
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53010:Gastroenterology-related
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
西條 広起 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (10794654)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 潰瘍性大腸炎 / DSS / miR-155 / Tenascin C / 炎症性腸疾患 / DSS誘発腸炎マウス |
Outline of Research at the Start |
再燃と寛解を繰り返す炎症性腸疾患(IBD)は、長期間の寛解維持がQOLの向上に直結するが、現行の治療法で再燃防止を長期維持できている症例は少ない。申請者は、潰瘍性大腸炎のモデルマウスにおいて、粘膜内の血管障害が粘膜上皮障害を誘発し,その後の腸炎悪化に神経細胞の過剰興奮が関与していることを報告した。このことは血管、上皮、神経の恒常性の保持により長期間の寛解が維持できることを示唆している。このような背景から本研究では、特に血管構造の安定化に関与する特異的な遺伝子を探索することで、大腸粘膜の恒常性維持機構および炎症制御メカニズムを解明し、将来的にIBDにおける寛解維持療法への応用を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
Ulcerative colitis(UC)は、再燃と寛解を繰り返す原因不明の難治性疾患である。長期間の寛解維持がQOLの向上に直結するが、現行の治療法で再燃防止を長期維持できている症例は少ない。申請者は、UCのモデルとして頻用されるDextran sulfate sodium(DSS)大腸炎マウスにおいて、粘膜内の血管障害が粘膜上皮障害を誘発し、その後の腸炎悪化に関与していることを報告した(Saijo et al. Lab invest 2015)。このことは血管構造の恒常性保持により長期間の寛解が維持できることを示唆している。 そこで本研究では、DSS投与によって粘膜障害が誘発されるワイルドタイプ マウス(WT マウス)と誘発されづらいmicroRNA 155 ノックアウト マウス(miR-155 KO マウス)を比較し、DSSを投与しても早期血管障害が起こらないメカニズムを解析することで、どのようにして微小循環系の安定化が図られているかを解明する。 昨年度は、DSS大腸炎誘発時の粘膜内の血管障害が動脈性なのか、静脈性なのかを蛍光スペクトルの異なる2種類の蛍光標識ゼラチンをWT マウスの血管内に灌流し共焦点顕微鏡で観察することで検証した。その結果、DSSによる大腸炎発症時の出血は、粘膜深部の細動脈から起こることが示唆された。また、miR-155 KO マウスも同様に蛍光標識ゼラチンを灌流して観察したが、粘膜深部の細動脈の障害は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験として、『WT マウスおよびmiR-155 KO マウスのDSS投与前後において、血管内皮細胞内に存在するmRNAを増幅して、microarray法で網羅的に遺伝子発現比較解析を行う。』ことを当初計画しており、大腸粘膜をコラゲナーゼを使用して、細胞の単離を行い、その後ビーズ法で血管内皮細胞を抽出した。しかし、解析を行うのに必要十分な細胞数が回収できず、遺伝子解析が行えていないのが現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、研究実績の概要に記載した『DSS大腸炎が粘膜内の動脈性障害に起因する』ことを論文にまとめ、投稿準備中である。 進捗状況の遅れの原因となっている『血管内皮細胞の抽出方法』に関しては、ビーズ法以外の方法(FACS)を検討している。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)