Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
末梢動脈疾患の中でも患者のQOL低下や死亡のリスクが高い重症下肢虚血は、多くの症例で既存の治療法が有効でない。この症例を救済する新たな治療法として、患者の自己細胞を虚血組織へ移植して側副血行を促す血管新生療法が注目されている。自己細胞の供給源として、皮下脂肪組織に存在する間葉系幹細胞(ADRCs)は他組織よりも低侵襲で多量に採取できることより主流となりつつある。当研究室は、血管新生細胞へ超音波刺激を与えて血管新生療法の効果を増強することに成功した。しかしこの手法には細胞を培養・処理する施設(CPC)が必要であり、臨床応用には至らなかった。 本研究では投与前の血管新生細胞に臨床用のプローブで超音波刺激を加え、酸化ストレス耐性能力を高めることで、その問題解決を試みる。 実験方法は以下の通りである。ADRCsを増殖培地で培養し、1.0E6個ずつ増殖培地21mlと混合した細胞浮遊液を細胞培養バッグへ注入した。診断用エコープローブで細胞培養バッグの外側から超音波を照射した。超音波の強度はMechanical Index(MI): 0.5および1.2、照射時間は5分および15分とした。コントロール群(超音波照射なし、0分・5分・15分)と併せて7条件で、セルカウンターにより細胞生存率を、ELISA法により血管新生因子(HGF・VEGF・Ang-1・Ang-2)濃度を計測した。結果、細胞生存率はMI 1.2, 15分の群で有意な低下がみられたもののHGF濃度はMI 1.2, 15分の群でコントロール群より有意な増加がみられた。この結果は、臨床用エコープローブによる超音波照射を用いて血管新生因子の産生を促せる可能性を示した初の報告であり、今後の血管新生療法の効果増強への寄与が期待される。
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