Thiel法解剖体を用いた新たな腹部超音波ガイド下神経ブロック法の確立
Project/Area Number |
19K18246
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 55050:Anesthesiology-related
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大神 敬子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (80812924)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 脊髄神経 / 解剖体 / 末梢神経ブロック / 超音波ガイド下神経ブロック / Thiel法 / 肉眼解剖 / Thile法固定 / 臨床解剖 |
Outline of Research at the Start |
本研究の概要は、超音波ガイド下末梢神経ブロックのうち、新たな方法とされる脊柱起立筋面ブロック(Erector spinae plane block; ESP block)の効果や機序を明らかにし、この神経ブロックの腹部への鎮痛効果を検討する。これを基により効果的で安全な鎮痛法を確立する研究である。具体的には、献体してくださったご遺体を対象に、背部の筋肉や神経、脊椎の構造を詳細に解剖を行い精査する。得た情報をもとに、超音波エコー装置や3DCT装置を用い、末梢神経ブロック法の検討・更に医師を対象としたサージカルトレーニングを行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
脊柱起立筋面ブロック(erector spinae plane block:ESP block)は背部第5番胸椎の高さから穿刺し、脊柱起立筋の表面に局所麻酔薬を投与する。これによって、第7頚椎から第8胸椎までと幅広い範囲の皮膚の鎮痛が可能となり、交感神経に対しても作用することが分かっている。このESP blockの腹部に対する鎮痛効 果が期待されるが、最適な穿刺位置については現在のところ不明である。生体に対して行った神経ブロックについての効果の検討は、患者本人に確認を行うしかないが、解剖体を用いることでより有用な薬液の広がりの知見を得ることができると考え、腹部の鎮痛に対してESP blockを行う場合の最適な穿刺位置や薬液量 を解明するため、解剖体を用いた本研究を計画した。 初年度は、医学部解剖学実習に供されたホルマリン固定日本人解剖体10体の背部の詳細な解剖を行った。腸腰筋、多裂筋、棘筋で構成される脊柱起立筋ならびに 肋間神経とその分布について仔細に調査を行い、実際に腹壁に分布する肋間神経の走行について確認した。前前年度は新型コロナウイルス感染症によって研究に用いることができるご遺体が限られたため、Thiel法を用いた研究を行うことができなかった。前年度も新型コロナウイルス感染症対策のため、Thiel法を用いた研究を行うことができなかったが、ホルムアルデヒド法で固定を行ったご遺体5体を更に対象とし、前脊髄神経神経根糸について詳細な解剖を行い、各神経根根糸の計数・径の計測・密度について調査した。本年度も新型コロナウイルス感染症の影響でご遺体確保数が限られており、Thiel法を用いた研究を行うことができなかったが、前年度の調査結果から論文作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の拡大によって、研究に用いることができるご遺体が限られ、本来実施予定であったThiel法解剖体を用いた研究を本年度も行うこと ができなかったためである
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Strategy for Future Research Activity |
1) Thiel法固定による解剖体の作成 2022年度までの経験により、Thiel法固定の解剖体を2体作成する。 2)Thiel法固定解剖体に対する超音波ガイド下薬液注入 2022年度までの結果より決定した部位への色素並びに造影剤の注入を行い、Autopsy imaging用CTで注入液の広がりを画像的に確認する。更に実際に解剖し、色素の広がる範囲を同定する。 3)論文作成 結果を論文にまとめ、学術誌へ報告する。
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Report
(4 results)
Research Products
(7 results)