骨・軟骨特異的に発現する線維性コラーゲンの発現調節機構の解明と組織再生への応用
Project/Area Number |
19K18469
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
樋田 真理子 大分大学, 医学部, 客員研究員 (10737224)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | コラーゲン / 転写 / 骨 / 軟骨 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、V/XI型およびXXIV /XXVII型コラーゲン分子の骨・軟骨における発現調節機構を検討する。具体的には、各コラーゲン分子の骨・軟骨発現調節機構を培養細胞及びトランスジェニックマウスを用いて転写調節の組織特異性を解析し、関与する転写因子を明らかにする。更に、RNAの新機能に着目し、各コラーゲン分子の新しい転写・翻訳調節機構を明らかにする。 本研究計画は、線維性コラーゲン分子群の骨/軟骨分化・線維形成メカニズムを解明するだけでなく、最終的には骨・軟骨形成異常疾患の治療と組織再生への応用を目指している。
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Outline of Annual Research Achievements |
細胞外マトリックスの主要構成成分である線維性コラーゲン分子は、骨・軟骨細胞といった組織特異的に発現しており、組織の発生から分化過程にわたり幅広く影響を及ぼしている。それゆえ、制御機構に問題が生じると、骨・軟骨形成異常等の発症要因となりうる。そこで本研究では、細胞外マトリックスの機能維持に必要不可欠な線維性コラーゲン分子の発現調節機構について、骨細胞におけるV・XXIV型コラーゲン遺伝子、軟骨細胞におけるXI・XXVII型コラーゲン遺伝子に着目し検討を行う。さらに、骨・軟骨細胞における組織特異的転写調節機構およびトランスクリプトームによる転写(long ncRNA)・翻訳(microRNA)調節機構、2つの観点からその分子機構の解明を目指す。 これまでに、骨細胞において、V型コラーゲン遺伝子は、骨分化誘導因子であるSp7/Osterixによって発現が増強されており、XXIV型コラーゲン遺伝子は、トランスジェニックマウスの解析から下顎骨に弱いシグナルを示すことが明らかとなっている。 また、軟骨細胞において、XI・XXVII型コラーゲン遺伝子ともに、軟骨特異的エンハンサー領域が見出された。さらに、XI型コラーゲン遺伝子に関しては、エンハンサー領域近傍にサイレンサー領域の存在も明らかとなっているため、各シスエレメントに関与する転写因子を特定できるよう解析を進める。 今後は、さらに骨・軟骨特異的発現調節機構を解明するため、ncRNA(non-coding RNA)制御による各コラーゲン遺伝子の発現調節機構への関与について検討するとともに、骨・軟骨の分化や形成に及ぼす影響についてもあわせて検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
骨細胞において、V型コラーゲン遺伝子の発現増強にSp7/Osterixが関与することが明らかとなったが、その生体内での発現調節機構についてエレクトロポレーション法等による確認が必要と考えられるため時間を要する見込みである。また、その他に骨プロモーターの解析や、long ncRNA・microRNAがどのように発現調節機構に関与しているかについても検証が必要であり時間を要する見込みである。 一方、軟骨細胞において、欠失や変異を加えたコンストラクトによるルシフェラーゼアッセイ等では、各軟骨特異的シスエレメント(エンハンサー・サイレンサー)に関与する転写因子の特定には至っておらず時間を要する見込みであるため、以上のことより進捗状況はやや遅れていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
骨細胞においては、生体内での発現調節機構を、発現ベクターやノックダウンベクターを用いた遺伝子導入実験により検証するとともに、骨特異的シスエレメント領域や関与する転写因子の特定ができるよう解析を進める予定である。 また、軟骨細胞においては、引き続き軟骨特異的シスエレメントに関与する転写因子を特定するため、条件の異なるコンストラクトを組み合わせたルシフェラーゼアッセイ、バイオインフォマティクス、転写因子スクリーニング法等を用いて検討を行う予定である。 さらに、ncRNAの制御による骨格形成に関与する各コラーゲン遺伝子の新たな転写(long ncRNA)・翻訳(microRNA)調節機構について検証を行い、骨や軟骨細胞における組織特異的発現調節機構の解明を目指す。
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Report
(4 results)
Research Products
(5 results)