妊娠初期における超早産バイオマーカー探索:エクソソーム中胎盤特異的miRNA
Project/Area Number |
19K18650
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56040:Obstetrics and gynecology-related
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
高橋 宏典 自治医科大学, 医学部, 教授 (80544303)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 絨毛外栄養膜 / 妊娠高血圧症候群 / 妊娠糖尿病 / 早産 / サイトカイン / グロースファクター / バイオマーカー / マイクロRNA / エクソソーム / 分娩 / microRNA / 産科学 |
Outline of Research at the Start |
妊娠28週未満の超早産は新生児死亡や脳性麻痺の主原因であり、超早産の減少は周産期学の最重要課題である。しかし、その機構は不明であり、これを検出するバイオマーカーも存在しない。 そこで本研究では、エクソソーム中胎盤特異的miRNAの機能と早産マーカーとしての意義を明らかにするために、1)超早産例と非超早産例における胎盤特異的miRNAの発現量を比較する、2)妊娠初期に血液採取し、後に早産の有無で胎盤特異的miRNA発現量を比較する、3)胎盤絨毛栄養膜を用い、胎盤特異的miRNAを増減させ、EVT浸潤能や蛋白質変化を解析する。本研究は早産の病態解明とハイリスク患者の同定に役立つと期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
妊娠初期における妊婦の血液検体を用い、以下の知見を得た。 1.後に妊娠糖尿病を発症した5症例と正常妊娠経過(コントロール)5症例の患者血清を用い、サイトカインアレイ(60種類)を施行した。結果、両群間に発現差(2倍以上)のあるサイトカインはCXCL5(妊娠糖尿病高値)、IGFBP-2(妊娠糖尿病高値)および、Leptin(妊娠糖尿病低値)であった。 2.後に妊娠糖尿病を発症した5症例と正常妊娠経過(コントロール)5症例の患者血清を用い、グロースファクターアレイ(41種類)を施行した。結果、両群間に発現差(2倍以上)のあるグロースファクターは1つも認められなかった。 3.Leptinは多数の先行論文がみられたことから、CXCL5とIGFBP-2に焦点を当て、1で用いた患者と別検体を用い、ELISAを施行した。ELISAにおいてはサイトカインアレイとは逆の結果、つまり、両分子ともコントロールの方が妊娠糖尿病罹患妊婦に比し、発現が高値であった。 4.妊娠初期、妊娠中期、妊娠末期の妊婦血漿より超遠心法を用い、エクソソームを回収した。特異的抗体(CD64、CD9、Flotilin、TSG101、ApoA)を用いて、検証した。従来マーカーになるといわれていたCD64の発現はみられず、CD9、Flotilin、TSG101の発現はみられた。最近、Cell誌(Hoshino A et al., 2020)にこの結果と同一の結果を示すものが報告されており、血漿中のエクソソームの特徴を明らかにした。 5.妊娠初期検体を継続して採取し、合計で1200検体を超えた。この中の検体で後に妊娠高血圧症候群、早産、妊娠糖尿病と発症した患者がそれぞれ20例以上集積できた。、
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度はコロナ禍で実験ができなかった。実験用具も入ってこなかった。それ以降はエフォート投入不足による実験遅延が一番大きい要因であった。しかし、本年度はそれなりの実験をこなすことができ、追いついてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.エクソソームが安定的に採取できるようになったため、妊娠初期血漿中のqPCRまたはdigitalPCRでmiRNAを測定する。疾患のターゲットは妊娠高血圧腎症、早産、妊娠糖尿病とする。妊娠初期におけるバイオマーカーを発見することが最終的な目的であるが、妊娠初期に差がある分子はごく少数と推察している。また、PCRを用いた血中のmiRNA発現は安定しない。もし、妊娠初期のバイオマーカーが発見できないときは、まず、それぞれの疾患を発症後の血漿を用い、検証を行う。 2.妊娠糖尿病に関しては文献的検索を中心にターゲットとするバイオマーカー候補を絞り込んでおり、ADAM12、1.5AGの発現を妊娠初期血清(または血漿)を用いて、コホート内ケースコントロールの形でELISAによって測定する。結果が出なければ、別分子を検討する。 3.妊娠初期血液検体、各疾患の胎盤、血液収集を継続する。
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Report
(4 results)
Research Products
(8 results)
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[Journal Article] β-hydroxybutyrate suppresses NLRP3 inflammasome-mediated placental inflammation and lipopolysaccharide-induced fetal absorption.2021
Author(s)
Hirata Y, Shimazaki S, Suzuki S, Henmi Y, Komiyama H, Kuwayama T, Iwata H, Karasawa T, Takahashi M, Takahashi H, Shirasuna K
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Journal Title
J Reproductive Immunology
Volume: 148
Pages: 103433-103433
DOI
Related Report
Peer Reviewed
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