Project/Area Number |
19K18967
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57020:Oral pathobiological science-related
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
白杉 迪洋 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (80807727)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 歯周病 / 酪酸 / 歯肉線維芽細胞 / マトリックスメタロプロテアーゼ |
Outline of Research at the Start |
歯周病原菌であるPorphyromonas gingivalisは酪酸の高産生菌であり、歯周病の進行にはこの酪酸が関与することが示唆されている。歯周病の進行には、タンパク質を分解する酵素の一種であるマトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)による組織破壊が寄与していることが報告されている。酪酸刺激により歯周組織からのMMPs産生が増加する可能性があり、本研究では、酪酸による歯周組織への影響について詳細に検討することで、今後の歯周病に対する新規治療法の開発につなげることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
歯周病はその罹患率が非常に高く、また、病態進行によりQOLを著しく低下させる。これまで多くの研究がなされてきたが、病態の進行については不明な点が多い。本研究では歯周病原菌が産生する酪酸に着目し、酪酸が歯周組織破壊に与える影響について解明することを目的とした。 歯周組織破壊は細胞死の誘導だけでなく、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)等のプロテアーゼによっても進行する。これまでに得られた知見より、酪酸刺激によって歯周組織の細胞死の誘導及びMMPs産生が亢進すると仮定し解析をおこなった。 歯肉線維芽細胞は歯周組織の主構成を担うだけでなく、細胞外マトリックス産生等をおこない、組織の恒常性の維持に重要な役割を担っている。正常ヒト歯肉線維芽細胞に酪酸を曝露させることにより、歯肉線維芽細胞のMMP-1, 3, 10 mRNA発現量が経時的に亢進した。また、酪酸を長時間曝露させることにより細胞培養上清中にMMP-1, 3, 10タンパク質の産生を認めた。さらにザイモグラフィ-にて産生されたMMPs活性について評価したところ、MMPsの活性化が認められた。また、MMPsを阻害するtissue inhibitor of metalloproteinase (TIMP)について同様の解析をおこなったところ、TIMP-1, 2 mRNA発現は亢進するものの培養上清中にタンパク質産生の有意な亢進は認めなかった。これらの結果より酪酸の長時間曝露によって歯周組織が過剰にMMPsを産生することで、TIMPとのバランスが崩れ、歯周組織の破壊が生じる可能性が示唆された。 以上より酪酸は歯周組織の細胞死を誘導するだけでなく、MMPsを過剰に産生させることでより強く歯周組織の破壊を惹起すると考えられ、歯周病の新規治療法として酪酸を対象としたスカベンジャーの探索は有用であると考えられた。
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