Project/Area Number |
19K19330
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57080:Social dentistry-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岩本 優子 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (00748923)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 歯科保健教育 / カンボジア / 東南アジア / 小児歯科保健 / 学校歯科保健 / 保健教育 |
Outline of Research at the Start |
カンボジアでは、歯科医療供給不足と世代間の生活背景格差による知識不足に伴い、特に小児の口腔内が劣悪な状況であること、それらの予防のためには歯科保健に関する教育が必要であることが明らかになっている。 それを受けて本研究では、カンボジア等東南アジアの貧困地域の小児の口腔内の状況について調査、評価し、また、児童および教員に対し歯科保健に関する教育プログラムの確立を図り、それによる口腔内状態の改善を評価する。これらの成果により、カンボジアにおける小児への歯科保健教育モデルを開発し、学校教育カリキュラムへの導入へと結びつける。
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Outline of Annual Research Achievements |
東南アジア地域、特にカンボジアにおいて、以前より小児の口腔内診査や歯科保健指導の実施に関するフィールドワークを実践してきた。これを継続、発展させ、現地のニーズに即した歯科保健教育を開発し、それらの普及を目指す研究を展開している。 今回の課題が採択された令和元年度より、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大のため、国外に出向いての研究実施ができない状態が続き、研究の実施が遅れていたが、研究機関を延長し、令和4年度以降現地調査のための渡航が再開できた。コロナ禍でのロックダウンを経たカンボジアにおいて、小児の口腔内診査等のフィールドワークを実施し、これらの結果を元に、令和5年度には、把握した新たなニーズに対応すべく実践を進めてきた。 コロナ禍の影響もあり、生化学的なサンプルを取得しての調査は控えているが、一方で渡航できなかった期間にも、現地協力者によって歯科保健教育の定着や普及のための取り組みが継続できたという側面もあり、現地協力機関を巻き込んでの研究実施が進んできたともいえる。 研究成果について、令和5年度にはAsian Academy of Preventive Dentistry主催の国際学会において、The oral conditions of Cambodian public primary school children before and after the COVID-19 pandemicというタイトルで、パンデミック前後のカンボジアの小児の口腔内の状態について報告したほか、韓国小児歯科学会や台湾小児歯科学会等でも、より詳細な調査結果について報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画段階では、研究期間の4年間で複数回の現地フィールドワークを実施し、それらを集計分析した上でのさらなる展開を予定していたが、令和元年度より世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、渡航が制限された。オンラインで現地協力者とコミュニケーションを取り、歯科保健指導を実施するということも実施したものの、当初とは研究計画を大きく変更せざるを得ない状況となった。 令和4年度には、久しぶりに現地でのフィールドワークを再開することができたものの、これらの調査結果の位置づけについても再考しつつまとめていく必要が生じた。 研究期間を延長したことで、再開した現地調査を分析し、発表することができつつある。調査項目等について当初の計画に対して再考が必要となった部分もあるが、現地の状況に合わせて研究を遂行しているところである。さらに1年の延長によって成果をまとめていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度および5年度に、久しぶりに実施できたフィールドワークの結果をもとに、歯科保健教育のみでなく、世界的な感染症の流行による小児の口腔内への影響について、具体的に明らかにしていく予定である。基本的な社会保障制度が整っておらず、観光産業のみで生活している住民も多いカンボジアにおいて、コロナ禍における都市部のロックダウンとそれに伴う商業活動の停止、観光客の流入停止は、生活環境に大きな影響を及ぼしたと考えられる。研究計画段階では予想でき得なかったコロナ禍によって、現在のところ生化学的なサンプルを取得しての研究は控えざるを得ない状況であるが、一方で、パンデミックの影響についても、フィールドワークによって得た結果をまとめて、できるだけ明らかにしていきたいと考えている。また、それらをアフターコロナの新たな働きかけへの足掛かりとしたい。 また、カンボジア以外の東南アジア諸国においても、アフターコロナにおいて歯科保健指導の必要性について、認識が高まっているようである。それぞれの国から来日していた留学生等の協力を得て、他国でも同様な歯科保健指導の普及を実践しつつある。それぞれの言語や文化にあった教材教具の作成と普及方法についても同時に探っていきたい。 現時点で本研究課題についてはほぼ予算を消化しているが、さらに、研究結果の公表に向けた学会発表や論文投稿は継続して行っていく予定である。
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