Project/Area Number |
19K19384
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 58010:Medical management and medical sociology-related
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
渡辺 基子 順天堂大学, 医学部, 助教 (40831847)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | コーテシースティグマ / Down症候群 / 両親 / 適応プロセス / 遺伝カウンセリング / 対人関係 / 親 / コーピング / コーテシー・スティグマ / 情報開示 / 遺伝性疾患 / 対処 |
Outline of Research at the Start |
親のコーテシー・スティグマは、社会の誤った信念により望ましくないと認識される属性を子どもが有する場合に、親が対人関係において受けるネガティブな反応を表す概念である。本研究は、遺伝性疾患を有する子どもの両親を対象としたインタビュー調査とアンケート調査を行うことにより、遺伝性疾患を有する子どもの親のコーテシー・スティグマに関連した状況とその適応プロセスについて明らかにすることを目的とする。得られた知見は、遺伝カウンセリングにおける親の支援につなげる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、遺伝性疾患を有する子どもの親のコーテシースティグマに関連した状況とその適応プロセスについて明らかにすることである。これまでにDown症候群のある子どもの両親を対象としたインタビュー調査とアンケート調査を実施した。 インタビューはDown症候群のある子どもの親23名(母親19名、父親4名)に対して実施し、データ分析から親のコーテシースティグマ経験と認識、コーピング、情報伝達、帰結に関するカテゴリーを抽出した。また、親のコーテシースティグマに関する適応プロセスとして、障がいの有無による壁のない脱境界の境地に至るプロセスを明らかにした。本年度は、研究成果に基づいて一般向けの冊子と動画を作成した。これらは、友人や知人から子どもにDown症候群があると打ち明けられた時の対応について考える内容とし、親が肯定的に認識する対応を一般に理解してもらうことで、対人関係における親の困難さの軽減につなげることを目指した。 アンケートは、内的なコーテシースティグマ(セルフスティグマ)であるアフィリエイトスティグマ尺度とインタビュー調査で得られた知見に基づく質問項目で構成した。アフィリエイトスティグマ尺度日本語版は、精神疾患や知的障害で用いられる尺度を原著者の許可を得て遺伝性疾患に適応させ、翻訳・逆翻訳のプロセスを経て作成した。インタビュー調査結果からの項目としては、コーテシースティグマ経験や認識、コーピング、帰結等の自作の質問項目を用いた。Down症候群のある子どもの親536名(母親487名、父親46名、不明3名)からアンケートの回答を得た。本年度は、得られた量的データ全体について分析を行った。その結果、アフィリエイトスティグマ尺度日本語版については高い信頼性係数が得られた。また分析データからは、インタビュー調査成果である脱境界モデルを支持する結果が得られた。現在論文を執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①インタビュー調査については、Down症候群のある子どもの親23名からの協力が得られ、当初の研究計画通り、親のコーテシースティグマに関連した状況であるコーピングや帰結、また適応プロセスとしての脱境界モデルを明らかにすることができた。本成果については、国内の遺伝カウンセリング関連学会や米国の遺伝カウンセリング学術雑誌で発表した。また親の支援に役立つ冊子や動画の作成につなげることができた。 ②当初の研究計画通り、インタビュー調査結果を基盤としたアンケート調査を実施し、Down症候群のある子どもの親536名から回答が得られた。遺伝性疾患に関連したコーテシースティグマの尺度は存在しなかったが、本調査により遺伝性疾患のある子どもの親のためのアフィリエイトスティグマ尺度日本語版を作成することができた。また、インタビュー調査で得られた知見を対象人数を拡大したアンケート調査でも確認することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
・アンケートでは、コーテシースティグマ経験やコーピング、帰結等に関して自由記述式の質問項目を設定した。今後は記述式回答について質的分析を行う。得られたアンケート調査成果について学会での発表と論文の執筆を行う。 ・脱境界モデルについての理解を促進するためのツールを作成する。
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