Project/Area Number |
19K19491
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 58040:Forensics medicine-related
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
岡田 侑己 科学警察研究所, 法科学第三部, 研究員 (10822067)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 誘導体化 / ESI-MS / 亜硝酸イオン / ニトロソ化合物 / LC/MS / IC/MS / 無機アニオン / 誘導体化分析 / 反応開発 / 無機分析 / 液体クロマトグラフィー / イオンクロマトグラフィー / 質量分析 / 微量拡散 / デバイス開発 / アニオン分析 / 法中毒 / 反応機構解析 |
Outline of Research at the Start |
本研究はアニオン分析における前処理法、誘導体化法の高度化により、その一斉分析法の開発を目指すものである。上記目標に向け、まず既存の誘導体化法を網羅的に解析するとともに、各生成物を与える反応機構を明らかにする。その結果を利用し、よりLC/MSに最適化した誘導体化法の決定及び反応剤の比較検討と必要に応じて開発を行う。並行して、生体試料に含まれる多成分のアニオン類を一斉に抽出する前処理法の開発を行う。最終的に一連の分析法の適用範囲及び分析対象物ごとの定性・定量能力を評価する。
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Outline of Annual Research Achievements |
現在の所掌業務との兼ね合いから、医薬品や乱用薬物の代謝物として重要な分析対象である亜硝酸イオンや硝酸イオンをターゲットに絞り、分析法の開発を目指し、検討を行った。 前年度までに、GC/MSを志向した誘導体化法であるペンタフルオロベンジル化が文献通りに進行しないことが明らかにした。本年は、既存の誘導体化法のうち、よりLC/MSに適した、2,3-ジアミノナフタレンを使用した方法やp-アミノベンゼンスルホン酸を用いた2段階でのアゾカップリングによる手法を比較した。いずれも、良好な反応性を示し、LC/MSによる検出も可能であったものの、前者では試薬の安定性に難があり、後者では反応が2段階で操作がやや煩雑である。 そこで、これらの問題を解決すべく、チオール基と亜硝酸イオンが水中で反応し、S-ニトロソチオールへと変換される反応に着目した。チオール源としては、同様の反応の報告があるグルタチオン、チオバルビツール酸、β-ペニシラミンを使用し反応を試みたところ、グルタチオンのみで反応の進行が確認された。本反応は、亜硝酸イオンを含む溶液と反応剤を混合するのみという平易な操作でありまた、室温短時間で反応が完結し、良好な操作系だといえる。一方、グルタチオン及び本反応で生成したグルタチオン-NO体はいずれもESI-MSやAPCIにおける感度が非常に悪く、このままではLC/MSを志向した誘導体化分析法としては実用的でなく、誘導体化剤の改良が必要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所掌業務の変更に伴い、十分な実験条件が取れない状況が続いている。一方で、昨年度よりターゲットとなるアナライトを絞っており、その分野で誘導体化反応の開発検討や従来法との比較を行えており、一定の進捗が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の目標である、アニオン類一斉分析法の開発から、亜硝酸イオンや硝酸イオンの誘導体化分析法の開発に目標を変更し、S-ニトロソ化反応の改良を中心に引き続き検討予定である。 一方でこれらの化合物は、分析対象のアニオン種のなかでも反応活性が低いため、誘導体化は概して困難であることが予想される。その場合は、従来法の比較など、分析担当者に有用な情報を得ることを目指す予定である。
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