| Project/Area Number |
19K20024
|
|---|
| Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
| Allocation Type | Multi-year Fund |
|---|
| Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
|
|---|
| Research Institution | BIWAKO PROFESSIONAL UNIVERSITY OF REHABILITATION (2020-2023)
Ritsumeikan University (2019) |
|---|
Principal Investigator |
佐藤 隆彦 びわこリハビリテーション専門職大学, リハビリテーション学部, 助教 (50780813)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
| Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
|---|
| Keywords | 敏捷性 / 方向転換走 / 体力テスト / 方向転換 / 体力測定 / 敏捷性テスト |
|---|
| Outline of Research at the Start |
敏捷性は、試合状況に応じて様々な方向に素早く疾走する能力であり、球技スポーツの競技パフォーマンスを決定する一因である。したがって、敏捷性を正しく評価するテスト、および敏捷性向上に繋がる指導法やトレーニング法の確立は、球技系のスポーツ現場で広く求められている。敏捷性は知覚・判断能力と方向転換走能力から構成されるにも拘わらず、既存の敏捷性テストや動作分析では知覚・判断能力が反映されないタスクが用いられてきた。そこで本研究では、知覚・判断能力と方向転換走能力の双方が発揮されるタスクにおける優れた敏捷性を生み出す運動学的特徴を抽出することで、優れた敏捷性を生み出す動作方略の解明に取り組む。
|
| Outline of Annual Research Achievements |
敏捷性は、状況に応じて様々な方向に素早く疾走する能力であり、知覚・判断能力と方向転換走能力から構成される（Young 2002）。しかし、既存の敏捷性テストでは既定走路の疾走タイムから評価しており、知覚・判断能力が反映されない。本研究では、双方の能力が要求されるテストを開発し、知覚・判断能力が反映された敏捷性の評価方法を確立することを目的とした。新規開発した反応敏捷性テストでは、床面に設置された8個のLED内臓ボタンを頂点とする正八角形の中で、ターゲットである点灯したボタンを順に押すために疾走と方向転換を繰り返し、規定回数ボタンを押すまでのタイムを計測した。点灯中のターゲットとは別のボタンを点滅させることで次のターゲットを予告し、ターゲットを押した瞬間に点滅から点灯に変わることでターゲットが順次切り替わるよう制御した。これにより、次のターゲットを事前に知覚できるか、次のターゲットを事前に知覚できなかった際に点灯と点滅のどちらがターゲットか素早く判断できるか、といった知覚・判断能力の優劣が結果に影響するよう設計した。運動部に所属する男子大学生32名を対象に、反応敏捷性テストに加え、①3-conesテスト、②単純反応時間テスト、③ナンバータッチテスト、④目と手の協応テストを実施した。①は方向転換走能力を、②から④は知覚・判断能力を単独で評価するテストとして設定した。反応敏捷性テストの結果を従属変数、①から④の結果を独立変数とし、ステップワイズ法による重回帰分析を行った。その結果、③のみを採用したモデルと、①と③を採用したモデルが得られ、調整済み決定係数およびp値いずれについても後者のモデルが優れていた。方向転換走能力と認知・判断能力の双方を採用したモデルの方が優れていることから、新規開発した反応敏捷性テストは双方の能力を反映した敏捷性を妥当に評価可能であることが示唆された。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
感染症リスクの観点から当初計画してた大規模なデータ取得を当面見送り、前年度までは装置を構成するハードウェアおよびソフトウェアの精錬と運用方法の調整に費やした。本研究で開発する反応敏捷性テストでは、利用者が繰り返しテストを実施した際に点灯順を記憶することによって評価が変動しないよう、毎回点灯順を変化させることが望まれる。一方で、テストの難易度は一定に保つ必要が有る為、正八角形の頂点を結ぶ13通りの角度による方向転換が各1回行われる点灯順の中から総疾走距離が同一となる点灯順を選定した。更に、その中から経路の特性に偏りがないよう点灯順を抽出し、装置に内蔵された記憶領域の容量が許す範囲で1000通りの点灯順をプリセットした。一度のテストによる総走行距離は正八角形の大きさにより調整可能であり、直線走能力や持久性能力といった他の体力要素がテストのタイムに大きく影響しないよう予備実験を重ねた結果、本研究では総疾走距離が約30mとなるよう正八角形の対角線を4mに設定した。少数の被験者を対象とした運用実験により、ハードウェア、ソフトウェアともにトラブルが出ることなく安定した運用が可能であることが確認できた。これを踏まえ、今年度は大学アスリートを対象に、本格的なデータ取得を開始した。大学の運動部員に協力を依頼し、当初計画の100名に対しておよそ80名のデータ取得を終えた。分析を終えた32名のデータを用いて、反応敏捷性テストの結果を従属変数、知覚・判断能力および方向転換走能力を個別に評価するテストの結果を独立変数とした重回帰分析を行うことで、新規開発した反応敏捷性テストが双方の能力を反映した敏捷性を妥当に評価可能であることを示唆する結果が得られた。
|
| Strategy for Future Research Activity |
データ収集を終えた80名の内、データ分析を終えた32名のデータから得られた研究成果を、第一報として日本・スポーツ・健康学会第74回大会で発表予定である。今後は、被験者を100名まで追加し、同様の重回帰分析を行う。100名のデータを用いた妥当性検証についての研究成果を、原著論文として投稿予定である。更に、収集された100名のデータから、優れた敏捷性に繋がる動作方略を明らかにするため、テスト中の区間タイムについて分析を行う。本研究で新規開発した反応敏捷性テストは、一度の測定結果を、角度設定の異なる13種の方向転換走として分割することが可能である。総疾走時間による敏捷性評価がいずれの区間タイムにより変動しているかを特定することで、どういった状況での視覚情報収集が、または、どういった方向への方向転換が総合的な敏捷性評価に繋がっているか明らかにすることが可能となる。これらの知見を得ることで、敏捷性向上を目指すアスリートのトレーニングや練習方法などの発展に貢献できると期待される。この内容について、第一報を学会発表、最終的な研究成果を原著論文として投稿し、最終年度を終える予定である。
|
