Project/Area Number |
19K20095
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 59030:Physical education, and physical and health education-related
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
大澤 智恵 武庫川女子大学, 音楽学部, 准教授 (90726093)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 鍵盤 / 視覚 / 聴覚 / 体性感覚 / 触覚 / ショルダーキーボード / ピアノ / マリンバ / 打鍵位置制御 / 運指 / 聴覚フィードバック / 空間認知 / 練習 / 正確性 / 演奏 / 運動制御 / 知覚 / 音楽 |
Outline of Research at the Start |
鍵盤楽器演奏は,意図した音高に対応したキーを適切なタイミングで打鍵する連続動作によって成り立っている。演奏の成立に決定的なのは打鍵動作の位置系列コントロールである。しかしこの位置そのものの記憶には曖昧性があり、奏者が演奏中リアルタイムに得るキー位置に関する知覚情報が必須であることがわかってきた。こうした知見をふまえ、サイズや方向の異なる複数種の鍵盤楽器における運指位置のコントロールにおいて、鍵盤の空間的記憶と、演奏中に得られる視覚、各種体性感覚、聴覚の情報が、どのような機序で打鍵位置を奏者に定めさせているかについて、実験をもとに検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、演奏者との空間的位置関係、サイズや演奏時の演奏者にとっての角度、そして演奏に使用する身体運動が大きく異なる、さまざまな鍵盤楽器における、演奏しようとする音の打鍵を可能にする知覚認知の役割を検討することを目的としている。 前年度には、ショルダーキーボード演奏における視覚・聴覚・触覚情報の役割に関する実験とその結果の解析を遂行した。触覚情報の役割を制限した実験条件を含む実験を遂行した。また、ピアノ演奏において、特に指が届かないなどの身体的制約を解消し、より打鍵位置コントロールへの注意を確保することに貢献すると思われるペダリングに注目した、手の大きさや柔軟性と演奏の特徴の関連についての実験研究も行った。 当該年度には、前年度の進捗を踏まえ、より大型の鍵盤楽器である電子マリンバにおける各種情報の役割に関する実験を遂行するとともに、以前のピアノ演奏における視覚・聴覚情報の役割に関する実験研究において推測するにとどまっていた触覚情報の役割を改めて検討する実験を行った。 視覚、聴覚、触覚情報がショルダーキーボード演奏のキーストローク位置制御に与える影響において、視覚情報が最も重要で、触覚情報が聴覚情報よりも大きな役割を果たしていること、また、手の大きさや柔軟性がピアノ演奏の方略に与える影響を調査したところ、柔軟性の低いピアニストはより多く、また早くからペダルを踏んでおり、指の柔軟性を高めることでペダル依存を減らしより自由に演奏できるようになるであろうことを国際会議ICMPCにおいて報告した。 また、当該年度に遂行した実験の成果として、ピアノと電子マリンバ演奏において、体性感覚(触覚)、視覚、聴覚情報が演奏の正確さに及ぼす影響を調査し、視覚と体性感覚が特に重要であることに加え、楽器のサイズや奏法により情報の利用方法が異なっていたことを日本音楽知覚認知学会において報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究計画の中核をなす実験を一通りを遂行・解析することができ、また、以前に行った実験の不足点を補完した実験を新たに行うことができた。また、それらの成果の梗概を学会において報告することができた。一方、それらの研究成果を論文として出版するまでに至らず、期間延長をすることとなったため、「3:やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
ショルダーキーボードを用いた小型鍵盤楽器の演奏、電子マリンバを用いた大型鍵盤楽器における知覚情報の利用に関する論文執筆を行う。ピアノでの知覚情報利用に関する実験において十分にコントロールできていなかった体性感覚情報の有無を操作する実験条件を補った実験の結果を併せ、大中小さまざまなサイズ・角度・奏法での鍵盤楽器での打鍵位置制御に用いられる知覚情報の役割についての総合的な考察を進め、鍵盤楽器演奏における打鍵位置制御機構に共通するしくみや、各種サイズ・奏法の鍵盤楽器に特有の要素についての知見をまとめ、成果を発表する。
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