Project/Area Number |
19K20210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 60010:Theory of informatics-related
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
宮田 洋行 群馬大学, 情報学部, 助教 (80643759)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | グラフ描画 / 有向マトロイド / 貪欲描画 / 擬直線配置 / トポロジー的表現定理 |
Outline of Research at the Start |
有向マトロイドは,ユークリッド空間の点集合,超平面配置,多面体の多くの組合せ的振る舞いの背後にある原理を公理化した組合せ構造である.有向マトロイドは,超平面配置をトポロジー的に一般化した対象に付随する組合せ構造と一対一対応にあることが知られ(トポロジー的表現定理),それが理論を非常に豊かなものとしている.本計画では,「よい組合せ構造はよいトポロジー的特徴づけを持つ」という思想の下,有向マトロイドでは捉えきれない幾何構造についても,公理系を設計し,その組合せ理論を展開する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,主にグラフ描画に関する以下の研究を行った. - 平面グラフの angular resolution の上界の改善 平面グラフの描画に現れる最小角度を angular resolution と呼び,グラフ描画の見やすさの指標としてよく用いられる.平面グラフの angular resolution の上界・下界に関する理論的研究もなされているが,現在知られている上界・下界の差がとても大きく,さらなる研究が必要な状況である.本研究では,1994年にGarg, Tamassiaにより与えられたangular resolution の上界を30年ぶりに改善した.本研究は,プレプリントとして公開し,また,国際会議ICGTA23において,招待講演として発表した. - 擬木のgreedy描画 前年度まで行ってきたgreedy描画の研究の中で,greedy描画可能な擬木の研究に誤りを発見し,修正を行った.単なる修正でなく,閉路を含む場合でのopen angleの概念の導入等,一般のグラフでのgreedy描画を研究をする上で有用となりそうな多くの新たな考察を含んでおり,当初は3ページ程度の内容であったものが現在20ページ程度となっている.準備ができ次第,前年度の論文の修正版として,公開予定である. - 平面グラフの凸単調性描画 前年度まで大学院生と進めていたパスを凸に描画する研究について,すでに知られている単調性描画の変種として理解する新たな特徴づけを行い,条件を満たす描画を凸単調性描画と名付けた.そして,凸描画可能な木,擬木,平面的3-木を特徴づけた.また,凸単調性描画の自然な一般化として,2-凸単調性描画という概念を導入し,全ての木,擬木が2-凸単調性描画可能であることを示すとともに,平面的3-木の場合も2-外平面的な場合は2-凸単調性描画可能であることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,angular resolutionの上界を30年ぶりに改善することができ,これは大きな成果と考えられる.また,greedy描画可能な擬木の研究で誤りを見つけたが,それを改善するために閉路を含む場合のopen angleの概念の一般化等,多くの新たな考察を行うことができ,これはgreedy描画可能な一般の平面グラフの特徴づけに向け,重要な一歩となるものと期待できる. 以上により,本研究は本来の計画と少し違う方向には進んでいるが,おおむね順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はangular resolutionの上界を改善したが,さらなる改善が可能な考察するとともに下界の改善に挑戦していく予定である. また,本年度の擬木のgreedy描画可能性の研究により,閉路を含む場合もopen angleの概念が有用であることがわかってきた.それを踏まえ,閉路を含むより難しいグラフクラスについて,greedy描画可能なグラフを考察していきたいと考えている.
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