Project/Area Number |
19K21603
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 1:Philosophy, art, and related fields
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
水野 裕史 筑波大学, 芸術系, 准教授 (50617024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相馬 拓也 京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (60779114)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 鷹狩 / 鵜飼 / オオカミ狩り / 騎馬鷹狩猟 / 源氏物語 / 和漢 / 狩猟風俗 / 韃靼人図 / オオサンショウウオ猟 / サシバ猟 / 鷹書 / 鷹狩図 |
Outline of Research at the Start |
本課題の目的は、室町時代以来議論されてきた「中国的なもの」と「日本的なもの」の区分、すなわち「和漢」の境界を見直すことにある。その研究対象として、中央アジアから伝わった狩猟風俗を基盤に再構成を試みる。 和漢の境界をめぐっては、村田珠光『心の文』の一節を端緒とする厚い議論がある。これまで「中央アジア」の領域は「漢」の一部として認識されてきた。しかし、室町時代の人々は、中央アジア由来の狩猟風俗を、他の民族の狩猟風俗と区別して認識していたのである。 この現象を出発点とし、本研究は、重層的な文化の集合体と考えられてきた「漢」領域から、中央アジアの領域を切り離し、「和漢」の境界を改めて構成する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本課題の目的は、室町時代以来議論されてきた「中国的なもの」と「日本的なもの」の区分、すなわち「和漢」の境界を見直すことにある。その研究対象として、中央アジアから伝わった狩猟風俗を基盤に再構成を試みる。具体的な方法として、文献史料の調査、絵画作品の調査を中心におこなった。COVID-19の蔓延および渡航費高騰により一部の海外調査を断念し、国内調査を充実させることで補った。 研究代表者の水野裕史は、狩野興以「韃靼人狩猟図屏風」(福井県立美術館)、伝雲谷等顔「花見鷹狩図屏風」(MOA美術館)、狩野探幽「鵜飼図屏風」(大倉集古館)などの作品調査を通して、その出典となる帰属的文化についての事例研究をおこなった。特に高精細撮影をおこない、分担者の相馬拓也氏の助言を得て、狩猟で使用する鳥類や特殊な道具を確認できた。その結果、一例であるが、中国的な鵜飼図と日本的な鵜飼図が融合された日本独自の新しい鵜飼図が制作されていたことを明らかにできた。 分担者の相馬拓也は、モンゴル、キルギス、カザフスタン、タジキスタン、ウズベキスタンを対象に、次の2つの調査を実践した。(1) 各国の国立博物館やミュージアムで、古代~近代まで狩猟紋様のミュージアムリサーチを集中的に実施した。また、大学・国立図書館での狩猟図・狩猟紋様のドキュメンテーションも実施した。(2) 現在も実践される、オオカミ狩りや騎馬鷹狩猟への同行や、カザフやキルギスでの鷹匠宅への訪問による飼育現場の訪問、ハンター(n=25)からのオーラルヒストリーの収集などのエスノグラフィ調査を通じて、図案解釈に体感値を統合するスキーム構築を行った。さらに、キルギスとモンゴルでは、実際の現役ハンターに狩猟紋様やその様子を見せて、実践者の意見を反映させる「アクター統合型アクションリサーチ」の手法を導入し、美術表現と図案解釈に新たな視点の開拓を模索した。
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