Development of media education for rabies prevention by integrating gamification and humanities and sociology
Project/Area Number |
19K21787
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 9:Education and related fields
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
小田 光康 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 専任准教授 (10724130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大松 勉 東京農工大学, 農学部, 准教授 (60455392)
井上 智 国立感染症研究所, 獣医科学部, 室長 (90213157)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2019: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
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Keywords | 少数言語 / 専門用語 / 狂犬病 / 新型コロナウイルス感染症 / 対応関係 / 援用関係 / 薬物中毒 / 啓蒙策 / 言語コード / ゲーミフィケーション / メディア教育 / 感染症予防 / 人獣共通感染症 / タイ / 公衆衛生 / マイノリティ / 格差 / 情報流通 / 情報表現 |
Outline of Research at the Start |
感染症被害の多い発展途上国の周縁部での公衆衛生策には、多様な社会構成の中で、かつ低いリテラシー水準の人々、とりわけ被害の甚大な未成年者に対して、分かりやすく、簡潔で的確に、かつ興味を抱いてもらう教育や啓蒙が必要となろう。本研究では情報の表現と流通に注目し、人文社会科学的な知見を採り入れ、ゲーミフィケーションの手法を用いた非言語的かつ感覚的な狂犬病対策のメディア教材を開発し、これを狂犬病被害発生地域で実装することで、これまで困難と言われ続けた狂犬病撲滅に寄与することを目的とする。さらに、他の国・地域での展開や他の公衆衛生策への展開策を模索する。
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Outline of Annual Research Achievements |
タイ王国チェンマイ県オムコイ郡のラフ族集落は感染症や麻薬中毒が蔓延し、15歳以下の子どもたちへの被害が特に大きい。これらの予防のため、現地ではタイ政府が公用語であるタイ語の冊子を利用して啓蒙活動を実施している。一方、ラフ族は村落内では独自言語であるラフ語を利用している。このため、村落住民が感染症・薬物中毒に関するタイ語の用語が理解しにくい可能性がある。 この実態を解明するため、同村落出身でチェンマイ県内の4年制看護大学の大学生Nさんに対して、英語、タイ語、そして山岳少数民族言語のラフ語との間での、一般的な感染症、狂犬病、新型コロナウイルス感染症、そして麻薬中毒それぞれに関連する用語の対応関係を調査した。 一般的にタイ王国では感染症用語は英語の用語をそのまま利用する、あるいはタイ語に翻訳して利用する場合がほとんどである。一方、感染症・薬物中毒に関する啓蒙策は公用語のタイ語で実施されるため、感染症・薬物中毒関連用語がラフ語に翻訳されず、タイ語のまま利用されている可能性がある。この場合、ラフ語しか利用できない子どもたちや高齢者が理解しずらい状況がある可能性があった。 調査結果から、もっとも身近な環境リスクである麻薬関連用語ではラフ語独自の用語があることが確認出来た。また、長年に渡って被害が度々起こる狂犬病についても一程度、ラフ語の用語が存在することが確認できた。一方、最近流行した新型コロナウイルス感染症の用語は英語をそのまま使用しているケースが多かった。 これらの結果からは慣れ親しんだ感染症や薬物中毒に関しては少数言語の用語が存在するため、その利用者にとっては理解しやすいと考えられる。一方、馴染みの無い感染症の英語やタイ語の用語については、少数言語に対応語が存在しないことがあり、その少数言語利用者にとって理解しずらい状況があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初、狂犬病などの感染症に関する用語すべてについて、タイ語とラフ語などの少数言語との対応関係、あるいは援用関係が存在すると考えていたが、これらの関係がまったく無い用語が多数あることがわかり、この分野の入念な調査が必要になった。ただし、ラフ語を母語に持つ感染症関係の専門家はほとんど皆無で、調査協力者を探すのに困難を極めた。ラフ族集落から大学など高等教育機関に進学したものは今回の調査協力者を含めて2人のみであった。 タイ王国国内で狂犬病被害が大きな地域は山岳少数民族居住地が主である。新型コロナウイルス感染症の蔓延で、タイ王国への渡航が困難な状況が続いたうえ、調査対象の集落が閉鎖隔離されるなどの措置が取られ、調査自体が不可能であった期間が約3年続いてしまった。さらに、調査再開した際にも、大雨と洪水で調査対象地である中山間地まで四輪駆動の自動車でもたどり着くことが出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
感染症関連用語の英語、タイ語、そしてラフ語など少数言語の対応関係・援用関係についての調査をさらに進めていく。この調査研究はタイ国内で狂犬病の啓蒙が徹底できない一因が解明できると考えられる。 この調査は現地の専門家、とりわけ狂犬病被害の多い山岳少数民族の居住地や近隣諸国からの不法移民の居住地での活動経験者の協力が必要となる。そこで英国に本部を置き、発展途上国の貧困層を対象に狂犬病被害への対応や啓蒙を実施しているWorld Veterinary Service (WVS)と協力関係を結び、これらの地域で共同調査を実施していく。さらに、タイ・バンコクにある有力大学、マヒドン大学の獣医学部とも協働していく。 この調査ではタイ王国の公用語であるタイ語と少数言語であるラフ語との関係性のみならず、これら両言語と英語との対応関係に関しても調査する。雨季であると調査対象地までたどり着けないリスクがあるため、調査期間は乾季入りする11月以降を計画している。
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Report
(5 results)
Research Products
(10 results)