Project/Area Number |
19K22647
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 55:Surgery of the organs maintaining homeostasis and related fields
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
杉野 繁一 東北大学, 大学病院, 講師 (00423765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 正憲 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00404723)
三澤 計治 関西医科大学, 医学部, 講師 (10525885)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 術後悪心嘔吐 / スンクス / 次世代DNAシークエンサー / 全身麻酔 / 戻し交配 |
Outline of Research at the Start |
全身麻酔後の術後悪心嘔吐(PONV)に対する新しい予防法を開発できないだろうか?われわれは哺乳類の中でもっとも嘔吐を起こしやすいといわれるスンクスを用いてこの研究テーマを推進する.われわれは本邦で維持されている2系統のスンクスを10世代以上,戻し交配させ,嘔吐しにくい形質に関連する遺伝子を次世代DNAシークエンサーで同定する.この研究はPONVの核酸医薬型の予防薬の開発に繋がるものである.
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Outline of Annual Research Achievements |
全身麻酔後の術後悪心嘔吐(PONV)に対する新しい予防法を開発できないだろうか?本邦ではPONVなどの嘔吐に関する基礎研究はあまり行われてはいない.その原因の1つに,頻用される実験動物である齧歯類は嘔吐できないという事実がある.実際,ラットやマウスは脳幹の嘔吐中枢が未発達で,いかなる嘔吐刺激を加えても嘔吐行動はまったく出現しない.そこでわれわれは最も嘔吐しやすい哺乳類であるスンクス(Suncus murinus,食虫目トガリネズミ科)に注目した.本研究の目的は遺伝学的に吐きにくい因子を持つスンクスを戻し交配によって新たに創出し,従来の吐きやすいスンクスとゲノム配列を比較することで,吐きにくさと関連がある遺伝子群を探索し,PONV予防薬の創薬に繋げることである.われわれのプロジェクトでは,世界でも本邦の紀和実験動物研究所でのみ維持されているLer系(Low emetic response:吐きにくい)とHer系(High emetic response:吐きやすい)の近交系スンクスを使用する.まずLer系のオス(ブリーダー)とHer系のメス(レシピエント)を交配させ,生まれたオスのうち,催吐物質ベラトリンで30分間,嘔吐を起こさなかった個体を次のブリーダーとしてHer系のメスと戻し交配させる.戻し交配を10世代繰り返すことで,Ler系が従来持つ「吐きにくい遺伝的因子」を遺伝的背景が均一なままのHer系に導入することが可能となる.2019年9月から30ヶ月にわたりわれわれはこの戻し交配を行っている.目標とした10世代目にはすでに到達し,現在,行動実験と全ゲノム解析を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
戻し交配に予想より時間がかかり2年以上の時間を要することになった.現在,実験は順調で2022年度内に終了できそうである.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は戻し交配により得たスンクスのゲノムDNAから全ゲノムシークエンスを行い,遺伝子多型を探索する予定である.
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