テロ事件の発生は反移民態度を高めるのか―メタ分析による検討―
Project/Area Number |
19K23182
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0106:Political science and related fields
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
田部井 滉平 早稲田大学, グローバルエデュケーションセンター, 助手 (00843947)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 排外主義 / テロリズム / メタ分析 / 政治学 / 反移民 |
Outline of Research at the Start |
テロ事件の発生は反移民態度を高めるという言説が一部のメディアにより語られる傾向がある。しかし、学術的にはテロ事件は反移民態度を高めるとする研究もあれば、高めないとする研究もある。それぞれの研究は個別のテロ事件を扱っており、あるテロ事件では影響が確認されるが、ある事件では影響が確認されないというように、議論が平行線をたどってしまう状況がある。そこで、本研究は、テロ事件の発生が国民の反移民態度を高めるのか(または、高めないのか)に関して結果に相違を生む先行研究を一般的・体系的にとらえる視座を提供することを目指す。本研究では、先行研究の分析結果自体を統計的に分析するメタ回帰分析を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、テロ事件が国民の反移民態度に及ぼす影響について、先行研究の結果の違いを統合的に捉える視座を提供することを目的とした。具体的には、先行研究の分析結果自体をメタ分析することで、結果の違いを統計的に検討した。 2022年度は、本研究と類似する先行研究(Godefroidt, 2021)を受けて研究の方向性を見直し、メタ分析の対象を社会心理学的変数(移民集団への偏見など)と政治学的変数(移民受入れ政策への態度など)に分けた上で検討することとした。また、日本国内でサーベイ調査を実施し、質問文言が反移民態度の測定にどのような影響を及ぼすかを検証した。 2023年度には、2022年のサーベイ結果を踏まえて先行研究のスクリーニングを行い直した。その上で情報のコーディングと研究の質評価を経て、本格的なメタ分析を実施した。その結果、テロ事件は一般に国民の反移民態度を高める傾向にあることが示唆された。しかし、社会心理学的変数と政治学的変数では影響に違いが見られ、前者の方が影響を受けやすいことが明らかになった。 今後は、テロ事件の種類や発生状況など、より詳細な条件が反移民態度に与える影響を検討する必要がある。また、本研究で得られた知見を、反移民的な風潮を和らげる実践的な方策につなげていくことが重要な課題である。 類似研究の公刊を受けて方針の見直しに時間を要したものの、最終年度にメタ分析を遂行し、一定の知見を得ることができた。
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Report
(5 results)
Research Products
(3 results)