都市部若年非正規労働者による労働組合実践のビジュアルエスノグラフィー
Project/Area Number |
19K23252
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0108:Sociology and related fields
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
岩舘 豊 学校法人文京学院 文京学院大学, 人間学部, 助教 (50852472)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 労働者文化 / フィールドとしての上映空間 / ビジュアルデータ・アーカイブズ / 労働組合実践 / 日常生活 / 制度言語 / 存在論的政治 / ways of visualizing / 社会空間分析 / ビジュアルエスノグラフィー / マテリアリティ / 社会空間 / 都市 / 若年非正規労働者 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、都市部若年非正規労働者による労働組合実践がはらむ力学を、ビジュアルエスノグラフィーの手法を用いて明らかにすることである。本研究では、労働組合の実践過程を、法や知やモノの複合からなる社会空間の生成としてとらえ、問題に直面した当事者が「労働者」へと変容していく過程を記述・分析する。この過程では、当事者の体験が労使関係をめぐる制度言語へと翻訳されることによって、権利主体として確立されていく一方で、制度言語へと「標準化」されざるものはそこから排除されていく。しかし、その制度言語とその「外部」との緊張をはらんだ力動的な関係と過程こそが労働組合実践における生命線であることを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、収集したビジュアルデータや文書資料の整理・分析を進めるとともに、質的調査法や文化研究に関する国内の研究会で発表を行い、有益なフィードバックを得ることができた。その成果は、大きく2点である。第1に、労働者文化研究史との接続可能性である。文化研究に関する研究会では、若者たちの労働組合実践が、これまでの国内外の労働者文化研究史と接続することで、その歴史的文脈や文化形成にいたる回路を見出すことができた。これまで同時代的な連関を視野に入れてきた研究であったが、通歴史的な視点を得られたことは、研究の視野が大きく開く機会となった。第2に、質的調査法についての研究会では、映像を上映する場やそこでの相互行為そのもののフィールドであり、上映する場そのものが社会空間として考察の対象となる知見が得られた。映像を上映する場そのものの映像データをどう分析するかという課題が明確になるとともに、今後完成予定のビジュアルエスノグラフィーをどう上映していくか、という探究につながる知見が得られた。以上2つの知見は、それぞれ公刊される書籍へ掲載する見通しとなったことが2022年度の成果である。 また、質的調査法の研究での発表からは、研究が終わった後にビジュアルデータをどう後世に残していくのかについても議論を深めることができた。最終年度を迎えるにあたり、ビジュアル調査資料の保存という課題を明確にできたことも成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記のような研究の進展はあったものの、進捗としてはやや遅れている。その理由としては、新型コロナウィルス感染症の再拡大により、在宅での研究時間が多くなり、機材や資料に十分にアクセスできなかったことが大きい。そのためビジュアルエスノグラフィーの制作が遅れている。また上記の事由により、現地調査が困難な状態が続き、追加調査ができなかったことも要因として挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度においては、新型コロナウィルス感染症の影響も小さくなり、研究室での研究活動が再開でき始めているため、機材や資料を活用して、ビジュアルエスノグラフィーの制作を進めていく。また分析やアウトプットのための追加調査も可能となってきた状態を生かし、感染症対策には十分留意しながら、フィールドワークを再開していく。映像データの整理を外注することで能率化も図っていく。
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Report
(4 results)
Research Products
(3 results)