Project/Area Number |
19K23373
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0110:Psychology and related fields
|
Research Institution | Osaka University of Comprehensive Children Education |
Principal Investigator |
金重 利典 大阪総合保育大学, 児童保育学部, 講師 (10847619)
|
Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2019: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
|
Keywords | facial expressions / infants / interpersonal function / 乳児 / 表情理解 / 個人間機能 / 感情 |
Outline of Research at the Start |
我々は、他者の笑顔を見ると、自分も笑顔になったり、顔の相手に近づいてやりとりを始めようと思ったりする。このように表情は、それを見た他者の行動や感情に影響を与えるという、個人間機能を持つ。これまでの研究においては、生後6か月の乳児であっても、表情の見た目を区別したり、表情にあった反応ができるとされる。本研究では、このような表情を理解し始める時期である生後6か月の乳児が、表情の個人間機能も理解しているのかを調べることを目的とする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、乳児期の子どもの表情を理解する能力のうち、表情が他者へ影響を与える機能(表情が他者の行為を誘発する機能、ならびに表情が他者の感情を喚起させる機能)を持つことを乳児がいつごろから理解しているかを実験的研究を行うことで明らかにすることを目的としている。新型コロナウイルス感染症が蔓延している期間では、データ収集のむずかしさから文献研究を行い、乳児期の表情理解能力がどの程度明らかになっているかを整理し、今だ表情が他者へ影響を与える機能の理解について知見が得られていないことを確認してきた。 本年度では、行った文献研究の成果をまとめ、以前に収集していたデータとともに日本健康行動科学会第21回学術学会での発表を行った。ここでは、これまでの乳児期の表情理解研究がどのような方法論でなされてきたかとともに、乳児期を対象とした表情理解研究において、表情が他者へ影響を与える機能を含めた多くの理解を扱えていないことを指摘した。 また、乳児を対象とした表情理解研究を遂行するために必要な成人の比較データを収集する準備を進めた。表情が他者へ影響を与える機能を持つことの理解は、成人であっても研究知見が十分に得られていない。そのため、乳児期の子ども以外にも成人を対象とした研究を行う必要性が考えられたため、成人を対象とした実験計画を立てデータ収集の準備を進めた。 最後に、研究会や学会に参加することで、表情研究の最新の情報を集めた。その結果やはり表情理解能力を明らかにする乳児期の研究は、表情が他者に影響を与える機能のついて対象とはしてこなかったことを確認できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は、所属大学が保育者養成大学であり、授業期間にも多くの学生が実習先へ赴くことから、学生への影響の少ない長期休暇である夏季休暇、冬季休暇中に乳児の実験データを収集する予定を立てた。しかし、所属大学のある大阪で再び新型コロナウイルス感染症の罹患者が増え、参加児の協力を得ることが難しい状況となった。そのため、予定していたデータ収集が行えず、研究の遅れが見られたと判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
データ収集を行うことが困難であったことから、以下の3つの推進方針を考えている。 まず、新型コロナウイルス感染症が令和5年5月8日から5類に分類されたことから、感染対策が変化したことを受けて、乳児のリクルートを急ぎ休暇期間以外でもデータ収集を行えるような措置を取ること目指す。リクルートには、広告を近隣の保育所・児童館へ配布する、学内ホームページへ掲載することによって行う以外にも、民間の調査会社へ依頼を行うことにより実施する。また、新たな計測機器を購入し、大学内に参加児が訪れる形で実験を実施するのみならず、研究者自身が保育所などへ赴きデータ収集を行う形での実施を試みる。 また、令和5年度より、学内の地域支援を行う部署である保育実践交流企画室が活動を開始しており、近隣の家庭や保育所の子どもを学内の模擬保育室に呼ぶ企画を実施している。このような学内の組織と連携を取ることで、参加児のリクルートを円滑に行っていく。 最後に、乳児を対象とした研究のみならず、成人を対象とした研究の実施も計画している。表情が他者へ影響を与えることの理解については、成人であっても十分に検討されてきたとは言い難い。そのため、学内の大学生を対象とした実験を実施することで、乳児との比較を行えるような知見を得ることを目指す。
|
Report
(4 results)
Research Products
(2 results)