Project/Area Number |
19K23382
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0110:Psychology and related fields
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Research Institution | Okayama University (2022-2023) Osaka University (2019-2021) |
Principal Investigator |
高岸 茉莉子 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 講師 (00842147)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 係留寸描法 / 順序回帰モデル / リッカート尺度 / 質問紙調査 / 混合モデル / セミパラメトリック / 順序カテゴリカル / ノンパラメトリック / 国際比較調査 |
Outline of Research at the Start |
心理調査におけるリッカート尺度の質問項目で,対象ごとに各カテゴリの解釈が異なれば対象間の回答の直接比較は不可能である.本研究ではこのような対象の回答傾向の違いを係留寸描法で補正することを考える.関連研究はいくつかあるが,過去にはこの問題は異なる分野(ex.心理学,社会科学)で独立に解決策が取られ,補正値そのものをデータとして分析する時にどの補正法を用いれば良いか,の観点での議論がされてなかった.従って本研究では,係留寸描法による回答傾向の違いの補正の既存の解決策を統一的な数理モデルとして表現することで比較可能にし,かつ統計量としての補正値の性質も導出できるような新たな補正法を提案する.
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Outline of Annual Research Achievements |
心理質問紙調査において,リッカート尺度のような回答者の主観に近いものを選択するような質問項目は頻繁に用いられる.しかしその各カテゴリを選択する傾向は,回答者により異なる場合が多い(例:質問項目の内容に関係なく極端なカテゴリを選ぶ,など).このような状況を,ここでは回答者により異質な順序カテゴリの閾値を持つ状況と呼ぶ.この問題は特に国際比較調査において顕著である.このような異質性のある閾値を検知し,補正するための方法として係留寸描法がある.この係留寸描法で得られたデータに基づいて補正する既存の統計手法として,順序回帰モデルを係留寸描法用に拡張した,CHOPITと呼ばれる手法がある.順序回帰モデルは,離散型順序カテゴリカル変量の背後に連続型の潜在変数の存在を仮定しており,得られた順序カテゴリカル変量は,その潜在変数が,未知である閾値によって離散化して得られたものと仮定する.通常の順序回帰モデルでは,未知の閾値は全回答者共通としているが,CHOPITではその閾値を回答者ごとに異なると仮定しており,これにより回答者ごとに異なる回答傾向を表現している.しかしCHOPITでは閾値に共変量をしようしており,これだと閾値の観測されない異質性は表現できないと先行研究で指摘されていた.そこで本研究では,CHOPITより柔軟かつ効率的に閾値の異質性を表現できるような順序回帰に基づく係留寸描法の補正法を提案した.具体的には閾値を混合モデルにし,かつパラメータ推定を容易にするために閾値にロジット変換を行い,EMアルゴリズムで推定を行う.また,パラメータ推定の評価は情報量規準で行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は,科研費申請時から数回の大幅なモデル変更を行なっていることから,進捗は遅れている.その主な原因として既存手法であるCHOPITがモデルとして不定性の問題を持っているため,提案手法とのパラメータ推定の精度の定量的かつ直接的な比較ができないことが挙げられる.また,Soest et al., (2014)で用いられていたAndrew検定を用いて各手法の評価を行なってみたが,本手法では評価が難しく,代わりに情報量規準で行うこととしている.
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Strategy for Future Research Activity |
基本的なモデルは完成したが,現段階のモデルでは誤差が非正規の場合に対応できない.その場合の拡張も今後行う予定である.具体的には,誤差に,平均と分散を固定した混合分布を仮定し,その重みを推定するような形を考えている.ただしこれだとパラメータ数が多くなってしまうため,その対応も検討中である.
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