ダニ媒介性感染症の疫学を目的としたMIG-seqによるマダニ類の集団遺伝学的解析
Project/Area Number |
19K23703
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0605:Veterinary medical science, animal science, and related fields
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
尾針 由真 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 特任研究員 (00847056)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2020-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | マダニ / 集団遺伝 / マダニ媒介性感染症 / 集団遺伝学 / MIG-seq |
Outline of Research at the Start |
マダニ媒介性感染症はマダニ科のダニ類(マダニ類)によって媒介され、ヒトや家畜に重篤な健康被害を与える。そのため原因病原体の感染拡大はマダニ類の集団構造に密接に関係しており、野生動物などの移動により病原体が農地環境と自然環境の間を行き来している可能性がある。本研究では、両環境間におけるマダニ類の集団および保有病原体の移出入を解明するために、マダニ類の集団遺伝学的解析および保有病原体の網羅的検出を実施する。本研究の結果から、両環境間におけるマダニ類集団構造の変遷がマダニ媒介性感染症の感染拡大に与える影響を評価することが可能になり、今後の効率的な防除対策に貢献できることが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、農地環境と自然環境間のマダニ類およびその保有病原体の移出入を推定することを目的として、両環境間におけるマダニの集団遺伝学的構造および病原体朋友状況を明らかにすることを目的としている。集団遺伝学的解析を行なう上で次世代シーケンサーによるSNP検出を行なうこととしたが、マダニ類は体内に様々な共生細菌類を有しており、マダニ個体全体を用いてDNAを抽出すると、それらのDNAも同時に抽出してしまい、解析にバイアスが生じる懸念が有る。そこで本年度はまず、コンタミネーションを抑えたマダニ類DNA抽出法の確立を試みた。原虫病研究センターで継代維持されていたフタトゲチマダニを70%エタノールで固定し、8本の脚からフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコールをもちいてDNAを抽出したが、DNA濃度が十分ではなかった。またフラグメント長の分布を確認したところ、DNAが短いフラグメントに断片化されており、DNAの質も十分ではないことがわかった。これは、マダニ個体を70%エタノールで固定する際に、エタノールが十分に浸透しておらず、細胞の自己融解が進んでしまった可能性が考えられる。今後、冷凍固定または生鮮個体を用いてDNA抽出を試みる予定である。 また、マイクロサテライトDNA領域を用いた集団遺伝学的解析も可能にするために、近年データベースに登録されたニュージーランド産のフタトゲチマダニの全ゲノム解析データを用いて、マイクロサテライトDNA領域の探索も開始した。現在108,295領域を発見し、利用可能性を検証している。
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Report
(1 results)
Research Products
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