訪問看護の需要予測に向けた疾患別利用期間の実態と関連要因の探索

Research Project

Project/Area Number	19K24264
Research Category	Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
Allocation Type	Multi-year Fund
Review Section	0908:Society medicine, nursing, and related fields
Research Institution	Nagoya City University
Principal Investigator	城川絵理子名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 助教 (10845564)
Project Period (FY)	2019-08-30 – 2021-03-31
Project Status	Granted (Fiscal Year 2019)
Budget Amount *help	¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000) Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000) Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Keywords	訪問看護の需要と供給 / 訪問看護 / 看護需要 / 利用期間
Outline of Research at the Start	訪問看護の不足が指摘されている。その背景のひとつに経営基盤の脆弱性が挙げられる。訪問看護は需要の把握が容易ではなく適切な経営計画を立案しづらい。そのことが、限られた資源を有効に活用し質の高いケアを提供する妨げとなっている。本研究では、訪問看護需要を把握・予測するための基礎的研究として、疾患別の利用期間の実態を調査し、利用期間に影響を与える関連要因について地域特性を加味しながら検討する。その結果、訪問看護需要の予見性を高め、需要に基づく適切な看護配置の実践により、経営の持続性、看護師の負担感軽減につながり、訪問看護の質・量の拡充に寄与することを目指している。
Outline of Annual Research Achievements	本研究の目的は、訪問看護経営の持続性に影響を与えている訪問看護需要の低い予見性への課題に対応するために、疾患別の利用期間を調査し、利用期間に影響を与える関連要因について地域特性を加味しながら検討することである。地域特性の概要を把握するため、調査対象であるA県における訪問看護の供給状況と市区町村ごとの人口分布や高齢化率との関連について、公開されているデータベース等から調査した。その結果、A県の訪問看護の供給状況おいては地域格差がみられ、人口密度の高い地域で訪問看護の供給が多かった。その背景は、都市部では訪問看護師数の確保が過疎地域より容易であること、病院・診療所を中心とする医療資源（訪問看護との連携）が多い等が考えられた。他方、低人口密度地域は高齢化率が高いにも関わらず訪問看護師が少なく、施設系介護がそれを補っている可能性が考えられた。これらから、現在の訪問看護供給の量的側面は、訪問看護ニーズからではなく、訪問看護師の確保の容易さや経営環境等供給側の事情で決まっている状況が推察された。加えて、この結果がA県の特性かどうかを確認するために、全国の都道府県のデータとの比較を行った。その結果、A県と同様の結果がみられ、A県特有のことではなく全国的な傾向であることが確認された。この結果をもとに、訪問看護事業所から得られるデータからは純粋な需要・ニーズが示されることは難しく、供給状況に大きな影響を受けている需要であることを念頭に、訪問看護需要についてデータを収集し分析を行っていきたい。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 3: Progress in research has been slightly delayed. Reason 本年度は、A県の訪問看護事業所を対象に、訪問看護の需要のひとつである疾患別利用期間を把握するために質問紙調査を実施する予定であった。しかし、訪問看護の供給状況に関する調査に時間を要したため、進捗はやや遅れている。現在は倫理審査に向けて準備をしている。
Strategy for Future Research Activity	今後は、倫理委員会での研究倫理審査の承認を得て、データ収集と分析を行う予定である。現段階では、新型コロナウイルス感染症の対応に訪問看護事業所も追われている。そのため、訪問看護事業所の状況を確認しながら、研究協力者の負担にならないよう質問紙調査を実施したいと考えている。