在欧沖縄染織染織品の調査とそのコレクションの成立に関する研究
Project/Area Number |
19KK0005
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 1:Philosophy, art, and related fields
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Research Institution | Okinawa Prefectural University of Arts |
Principal Investigator |
柳 悦州 沖縄県立芸術大学, 芸術文化研究所, 名誉教授 (70200532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新田 摂子 沖縄県立芸術大学, 芸術文化研究所, 准教授 (00835473)
平田 美奈子 沖縄県立芸術大学, 芸術文化研究所, 研究員 (80813170)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥13,260,000 (Direct Cost: ¥10,200,000、Indirect Cost: ¥3,060,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 沖縄 / 染織 / 在外コレクション / ヨーロッパ / 染織史 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、在欧沖縄染織品の基礎的調査を行い、ヨーロッパにおける沖縄コレクションの形成過程と日本の染織品との美術的価値観の違いを明らかにする。先行研究では、ヨーロッパには、468点の沖縄染織品が確認されている。なぜこれほどの沖縄染織品がヨーロッパへ渡ったのだろうか。 これまでのジャポニスム期における日本の染織品の調査は、沖縄の染織品は対象としていない。本研究は海外の共同研究者と共同調査を行うことで、なぜ日本の着物に加えて沖縄の紅型や芭蕉布がヨーロッパの美術館・博物館に所蔵されるようになったのか、さらにはヨーロッパにおけるそれらの美術的価値観の違いを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、①調査、②データベース、③コレクションの形成の3つの視点から行っている。2022年度は以下の研究成果が得られた。 ①調査:2022年度は2回の調査を行った。7月には、琉球大学附属図書館にて、在欧沖縄染織品の関連資料である裂帳の調査を行った。12月には、海外調査を再開し、スイスのMuseum der Kulturen Basel(MKB)での調査を行った。MKBは、着物等の染織品関係の調査は終了していたが、今回新たにこれまで把握していなかった裂帳が発見された為、追加調査を行った。 ②データベース:データベースは2020年に紅型データベース、2021年に織物データベースを新規に作成している。これは、在欧沖縄染織コレクションと沖縄県内及び日本本土の博物館・美術館の沖縄染織資料を照合可能なデータベースである。今年度は、新たに調査したデータを双方のデータベースに搭載した。 ③コレクションの形成:前年度までに、紅型と織物の双方のデータベースの資料の照合作業を行った。その結果、複数の博物館・美術館に、ひとつの裂を断裁したと考えられる沖縄染織品が見つかった。つまり、元々ひとつの裂が断裁されて、ヨーロッパや日本及び沖縄に分散して所蔵されている可能性がある。今年度は、さらに同一裂が見つかった各博物館等の沖縄染織コレクションの来歴について調査を行った。その結果、在欧沖縄染織コレクションと同一裂のみつかる日本の博物館等のコレクションは、戦前に関西を中心に活動した美術商、コレクター、画家などからの蒐集であることがわかった。つまり、ヨーロッパに沖縄染織品をもたらしたオランダ人美術商は、1950年代に来日した際に彼らと何らかの繋がりがあり、沖縄染織品を蒐集した可能性が高い。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年は、コロナ渦において中断していた海外調査を再開することができ、大きな成果が得られた。併せて、沖縄県内の関連調査も行ったため、在欧沖縄染織品と比較するための日本・沖縄の染織品データベースは充実してきている。 また、コレクションの形成についても、文献調査が進展したため、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
①調査:2023年は、2回の海外調査を中心に行う。2023年4月は、オランダの3つの博物館の沖縄染織品調査を行う。もう1回は複数の博物館と調整中である。しかしながら、コロナ渦において中断した海外調査分を取り戻すことは出来ないため、事業を2024年度まで1年間延長申請することを想定している。 ②データーベース:2023年は、海外調査の内容をデータベースに搭載する。最終年度へ向けて、データを整理する。 ③コレクションの形成:海外の研究協力者とともに、沖縄染織品をヨーロッパにもたらした美術商について、手紙、資料、写真などの一次資料がないか調査する。 ④成果の公開:来年度は、これまでの研究成果を公開するための国際会議を開催予定である。
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Report
(4 results)
Research Products
(17 results)