Project/Area Number |
19KK0011
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 2:Literature, linguistics, and related fields
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
塩原 朝子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (30313274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木本 幸憲 兵庫県立大学, 環境人間学部, 講師 (40828688)
内海 敦子 明星大学, 人文学部, 教授 (70431880)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥17,940,000 (Direct Cost: ¥13,800,000、Indirect Cost: ¥4,140,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2020: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | 言語学 / コーパス言語学 / オーストロネシア諸語 / アルタ語 / マレー語 / スンバワ語 / 危機言語 / 少数言語 / インドネシア語 / イロカノ語 / コーパス / クイ語 / インドネシア / フィリピン / 談話研究 / ナラティブ研究 / 形態統語論 / インドネシアの言語 / フィリピンの言語 / 談話論 |
Outline of Research at the Start |
本研究ではインドネシア・フィリピンの少数言語の記録のため現地機関と共同で少数言語のデータを収集・分析し、言語使用を反映したコーパスを構築し公開する。さらに、コーパスを利用したtext-based な文法研究を行う。対象地域では多くの少数言語が話されているが、それらの言語の多くが国語などの影響により急速に話者数を減らしつつある。多様な言語・文化の記録を人類共通の財産として残すことは言語学者に課された急務である。本研究はそのミッションを達成するためのインドネシア・フィリピンの研究機関との国際共同研究を行うともに、構築したコーパスの利用に関してドイツ・オーストラリアの研究機関とも共同研究を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
(1) インドネシアとフィリピンの少数言語コーパスの構築:今年度もインドネシアのロテ島で話されるロレ語やスンバワ島で話されるスンバワ語のコーパス構築を続けている。フィリピンの少数言語についても、危機言語であるアルタ語のコーパス構築を行っている。これらのコーパスを公開するために、音声付き文字情報として各言語を公開するウェブサイトの開発も進めている。スンバワ語コーパスのアノテーションが完成しドイツのBenberg大学が公開しているMulti-CASTアーカイブから公開した。 (2) コーパスに基づく理論的研究:昨年度から引き続き、オーストラリア国立大学との共同研究である社会認知に関するコーパス(SCOPIC)の構築とSCOPICからのデータに基づく理論的研究を行っている。物語コーパス中の文における命題の埋め込みがどのように行われるかについての対照研究もさらに進めている。その成果は国際言語類型論学会で発表した。この研究ではオーストロネシア諸語5つを含む14のコーパスに基づいて行っている。命題の埋め込み現象を「思考」「発話」「知識」などの9つの意味分野に分類し、それぞれの言語でどのような文法戦略が優勢なのかを調べた。その結果、14の言語は(i)補文が優勢な言語、(ii)副詞節が優勢な言語、(iii)二つの節の単純な並置(parataxis)が優勢な言語、の三つに分類できることがわかった。オーストロネシア諸語の中では、イロカノ語とマレーシアのマレー語は(i)に、アルタ語と口語インドネシア語は(iii)に属することがわかった。これは、系統が異なる言語でも命題の埋め込みパターンが異なることを明らかにしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標であったオーストロネシアの少数言語・危機言語のコーパス構築が予定通り進展していること。コーパスデータに基づく理論的研究も順調に進展していること。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である本年は、オーストロネシア諸語のコーパスを完成させるとともに、コーパスに基づく理論的研究の成果を論文の形にまとめ学術雑誌に投稿する。
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