Project/Area Number |
19KK0070
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 13:Condensed matter physics and related fields
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
美藤 正樹 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (60315108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片宗 優貴 九州工業大学, 大学院工学研究院, 助教 (50772662)
高阪 勇輔 大阪公立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60406832)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥18,330,000 (Direct Cost: ¥14,100,000、Indirect Cost: ¥4,230,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2020: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 高圧力下中性子回折 / ランタノイド系 / 強磁性 / 希土類金属 / 高圧力 / 中性子回折 / 磁気測定 / 希土類 / 強磁性体 |
Outline of Research at the Start |
本申請課題で、希土類強磁性体の高圧物性における未解決問題に決着を付ける。磁気測定の結果は、5-15 GPaの高圧力下でランタノイド系強磁性元素の磁気秩序が消失するであろうことを示唆している。しかし、常圧で磁気測定と一致する温度で異常を示す電気抵抗では、特徴的な抵抗異常は100 GPaでも観測されている。本研究は、我々の世界最高レベルの「高圧力下磁気測定」と、スペインがLaue-Langevin研究所で進行中の“Xtreme-Dプロジェクト”の協力を得て進める世界最先端の高圧・低温中性子回折との共同研究によって、希土類強磁性元素の高圧力下での磁性状態を徹底的に解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
・Hoの高圧中性子回折実験(0 GPa, 8 GPa)のデータ解析:昨年度実施したHoの高圧力下中性子回折実験のデータ解析を注意深く行った。米国のグループが8 GPa以上の圧力下でも強磁性磁気秩序が存在すると報告しているところを、広い波長空間での実験結果に対する我々の解析結果は8GPaで強磁性磁気秩序は消失している。我々の解析によると、8GPaでは、本来であれば強磁性磁気秩序の高温側で安定しているらせん磁性秩序しか存在しないことが分かった。この結果は現在論文投稿中であり、査読プロセスの中にある。 ・Tbの高圧中性子回折実験(3, 10, 16.5GPa)のデータ解析:中性子回折実験のデータ解析を進めたが、その過程でこれまで報告されてきた高圧力下の結晶構造情報では解析が出来ないことが明らかになった。つまり、我々自身が、高圧力下での低温結晶構造解析を実施する必要性が出てきた。そこで、令和5年度にSPring-8でその実験が実施できるように課題申請する予定である。 ・Tmの高圧中性子回折実験:ILLでの実験のための課題申請を行い、無事課題が認められた。しかし、2023年3月、実験直前にリアクターがフルスペックで運転できないことが判明し、実験が令和5年度6月に延期になった。 ・ErとTmの高圧力下磁気測定:ILLの1年以上に及ぶ長期シャットダウンを受け、ErとTmに高圧力下磁気測定を30GPaまでの圧力下において慎重に実施した。ErはTbと定性的に類似の磁気秩序温度の圧力依存性を示し、TmはHoと定性的に類似の磁気秩序温度の圧力依存性を示す。これらの結果は、近々論文投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ILLの1年以上に及ぶ長期シャットダウンを受け、令和5年2月まで高圧力下中性子回折実験を実施できなかった。しかし、3月以降の再稼働を視野に入れ、課題申請を行い、Tmの実験を令和4年度3月に実施できることになっていたが、リアクターの故障により、令和5年度6月に延期になった。
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Strategy for Future Research Activity |
・Tmの高圧力下中性子回折実験を令和5年度6月に実施する。 ・Gdの高圧力下中性子回折実験については、過去、中性子吸収係数が小さい同位体を準備して実験に挑んだが、微量存在する中性子吸収係数が高い同位体の混入によって、全く回折像を観測することが出来なかった。そこで、ホット中性子を用いることによるデータの質の向上を模索する。 ・Tbの高圧力下における低温結晶構造解析を実施し、そこで得られた知見を基に、改めでILLで実験した高圧力下中性子回折実験データの解析を進める。
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