Project/Area Number |
19KK0079
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 15:Particle-, nuclear-, astro-physics, and related fields
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
長谷川 雅也 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 研究機関講師 (60435617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽澄 昌史 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (20263197)
金子 大輔 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 研究員 (60790342)
西野 玄記 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 情報技術推進室, テニュアトラック研究員 (80706804)
南 雄人 大阪大学, 核物理研究センター, 特任助教(常勤) (80788240)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥18,070,000 (Direct Cost: ¥13,900,000、Indirect Cost: ¥4,170,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2020: ¥6,760,000 (Direct Cost: ¥5,200,000、Indirect Cost: ¥1,560,000)
Fiscal Year 2019: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
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Keywords | 原始重力波 / 超伝導検出器 / 偏光 / 角度較正 |
Outline of Research at the Start |
インフレーション宇宙仮説の検証は宇宙物理および素粒子物理の最重要課題の一つである。本計画では、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)偏光の精密観測を通して「原始重力波」の痕跡を探すという手法により、インフレーション仮説の実験的検証を行う。本研究計画メンバーが中心となって望遠鏡を稼働させる「Simons Array実験」により、CMB偏光成分の精密観測を実現し偏光成分の1%のレベルまで原始重力波を探索する。またその過程で、次世代実験にも耐えうる精度で系統誤差の制御を可能にする手法を確立し、各最先端実験の中核で日本を中心にした国際共同研究の基盤を強固に築く。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、世界初の望遠鏡群によるCMB偏光実験「Simons Array」を実現し、CMB偏光の精密測定を行なって原始重力波の探索を行うと共に、次世代実験での超精密観測の実現に向けた基盤技術の確立を目的としている。 Simons Arrayでは3台の望遠鏡を同時に稼働させる。今年度は引き続きCOVID-19の影響で現地での作業は出来なかったが、現地エンジニアと協力をして1台目望遠鏡のコミッショニング作業を進めた。2台目望遠鏡については、昨年度に発生したトラブルに関して、光学素子の修理・再製作を実験室にて行い再びチリに輸送をして無事に望遠鏡への搭載を成功させた。一部の検出器を用いて種々のコミッショニング観測を行い、光学特性が期待通りである事を確認した。現在は検出器の運用法の最適化と光学系の調整を行なっているところであり、完了後定常観測へ移行する。これらの試験観測については、分担者の金子・西野が中心として進めている。分担者の南が中心となって開発した”観測データのみを用いた新しい偏光角較正法"とそれを利用した宇宙論的複屈折の検証が暗黒物質の候補でもあるアクシオン様粒子の新たな探索法として注目を浴びており、関連した解析としてPOLARBEARデータを用いた偏光角の時間変動に関する結果を報告した。加えて金子を中心に行なっている次世代実験のための人工較正源の開発も進展している。 また、分担者羽澄による、地上実験のノウハウを衛星実験に繋げるための国際協力によるプロジェクト化も進展している。特に今年度は、衛星実験の物理要求からハードウェアに求められる性能、及び打ち上げ前の地上検証計画策定に関して進展が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績で述べたとおり、COVID-19の影響で、観測サイトや共同研究機関に行けない中、Simons Array1台目の試験観測が進展し、2台目もトラブルに見舞われながらも遠隔にて望遠鏡の搭載を成功させた。また系統誤差制御のためのキャリブレータについても問題なく長期安定運用が達成できており、将来実験に向けた検証が大きく進んでいる。データ取得については当初計画に比べて多少の遅れもあるが、データ取得後の解析をスムーズに進めるためのソフトウェアの準備も進んでおり、計画全体として大きな遅延が発生しない様に対応している他、検出器較正から新たな物理の可能性(宇宙論的複屈折を通したアクシオン探索)が提案されるなど、プロジェクトとしての広がりが見えている。ハード・ソフトを含めて国際共同実験における中心拠点の一つとして海外の関連機関との協働体制が確立しつつある。これらの状況から、おおむね順調に進展している、とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、Simons Array1・2台目による科学観測を早々に開始する。並行してSimons Arrayにて偏光成分の1%のレベルでの原始重力波の探索を可能にする系統誤差制御について、実データを用いて検証をすすめ、成果をまとめる。また系統誤差制御の手法をきっかけに提案された宇宙論的複屈折探索についてSimons Arrayでも進める(機器較正用に取得するデータを用いて探索可能なため、観測を邪魔しない)。将来実験に向けた活動としては、本研究でつちかった知見を広く他実験に応用し、すでに共同研究がすすんでいる人工較正光源の実機を提供していく。
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