Project/Area Number |
19KK0255
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 60:Information science, computer engineering, and related fields
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
山本 有作 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (20362288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 周平 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 助教 (50824421)
今倉 暁 筑波大学, システム情報系, 准教授 (60610045)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥18,200,000 (Direct Cost: ¥14,000,000、Indirect Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 固有値計算 / 並列計算 / ブロックヤコビ法 / 収束性解析 / 誤差解析 / 非負行列分解 / 機械学習 / 行列計算 / 固有値問題 / 特異値分解 |
Outline of Research at the Start |
科学技術計算や大規模データ解析の基盤技術である行列の固有値・特異値分解について,次世代の大規模並列スーパーコンピュータ向けに,並列性能と計算精度に優れた新しいライブラリを開発する.特に,申請者らが海外共同研究者らと共同で開発してきた並列動的オーダリング型ブロックヤコビ法と呼ばれる新しい固有値・特異値分解手法の実用化に向け,海外共同研究者と連携して理論的解析,高性能実装,機能拡張などの課題に取り組む.また,開発したライブラリを著名な電子状態計算ソフトに組み込み,普及を促進するとともに,欧州の学会でのオーガナイズドセッションを実施し,研究成果の発信と研究者ネットワークの拡大を図る.
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Outline of Annual Research Achievements |
並列計算に適した固有値・特異値分解の計算法であるブロックヤコビ法について,収束性・計算誤差などの理論的解析と,並列計算機上での高性能実装を進めている。今年度は,次の2つの項目について研究を行った。(1) 組合せ的前処理法の実装と性能評価。固有値計算向けブロックヤコビ法の収束加速手法として,非対角ブロックの消去前に,行と列の置換により絶対値の大きい要素を消去対象のブロックに集める組合せ的前処理がある。本前処理をブロックヤコビ法のプログラムに組み込み,「富岳」の1ノード上で性能評価を行った。その結果,最大20%程度の高速化が得られることを明らかにした。(2) 特異値分解向け片側ブロックヤコビ法(OSBJ法)の誤差解析。OSBJ法の中心部である,ブロックベクトル群の直交化について,丸め誤差解析を行った。OSBJ法では,列スケーリングを行った反復行列が良条件となることが多いが,その場合には,右特異ベクトル,左特異ベクトルの両方について,高い直交性を持つ数値結果が得られることを示した。これは,OSBJ法の信頼性に対する一種の理論的保証を与える。
また,固有値・特異値分解と並んで計算物理分野で広く使われる行列関数の計算について,主に理論面から解析を行った。特に重要な行列関数である行列指数関数については,テイラー展開に基づく計算法の丸め誤差解析を行い,計算結果をよく再現する誤差上界を得た。また,固有値計算の部品として利用される行列符号関数については,二重指数型数値計算公式に基づく既存手法の離散化誤差と打切り誤差の解析を行い,既存の誤差上界を改善する結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論面・実装面での研究は,予定通り進捗しており,期待した成果が得られている。また,並列計算に関する国際会議PPAM 2022において,ブロックヤコビ法を中心とする固有値・特異値解法に関するワークショップを開催した。ただし,研究代表者をはじめ一部の参加者はオンライン参加となった。
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Strategy for Future Research Activity |
海外出張に関する制限が解除されたため,研究代表者の山本が本年5月から6月にかけて共同研究先のザルツブルグ大学を訪問し,ブロックヤコビ法に関する理論面・実装面での共同研究を推進する。また,11月に共同研究者のMarian Vajtersic教授,Gabriel Oksa教授を日本に招聘し,国内の共同研究者との研究交流を行うことを計画している。
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