Project/Area Number |
19KK0294
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 03050:Archaeology-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村上 智見 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 特任助教 (70722362)
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Project Period (FY) |
2020 – 2024
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥15,210,000 (Direct Cost: ¥11,700,000、Indirect Cost: ¥3,510,000)
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Keywords | 考古学 / 染織品 / シルクロード / トルファン |
Outline of Research at the Start |
若手研究「中央ユーラシア出土品からみた古代の染織品流通と技術伝播に関する研究」では、我が国に伝わった古代染織品およびその技法はどこから来たのか?という問いから、未調査資料の多い中央ユーラシア出土品に着目し、染織品から文化交流の実態を明らかにすることを目指している。 本国際共同研究では、若手研究をさらに発展させるため、特に出土染織品が豊富な中国新疆ウイグル自治区に焦点を当て、19~20世紀に各国の探検隊により新疆地域から将来された資料、および近年の調査により出土した染織品の現状を把握するための調査を実施する。これにより、中央ユーラシア出土品および日本伝世資料との比較を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、若手研究「中央ユーラシア出土品からみた古代の染織品流通と技術伝播に関する研究」をさらに発展させるため、新疆ウイグル自治区出土品(特に染織品と壁画などの図像資料)に関連する資料収集および調査を集中的に実施するものである。 2020年6月からドイツおよび中国に渡航予定であったが、新型コロナウイルス情勢が重なってしまったため、渡航延期を余儀なくされた。国内において待機していたが見通しが立たないことから、少しでも研究を進めるべく、2020年度から日本国内において集中的に資料収集と調査を実施し、渡航後すぐに調査に取り掛かれるよう準備を進めてきた。 2021年度も、国内において新疆出土品関係論文などの情報を収集すると共に、すでに手元にある資料を活用して調査・研究を進めた。具体的には、トルファンのアスターナ古墓出土染織資料のフィルム画像、新疆タリム盆地で製作された可能性のあるモンゴル出土の7世紀染織資料の分析、壁画など図像資料の染織表現の収集、中国史書にみられる染織関係の記述収集などである。 2022年度は短期間ドイツへ渡航することができ、現地研究者と集中的に研究を進めることができた。中国の研究機関については、厳しい受け入れ制限が続いていたことから渡航が叶わず、国内における資料収集と分析を実施した。2022年度はSRC生存戦略研究プロジェクトと共催でセミナー1件を開催することができた。 2023年度は、新型コロナウイルスの影響はほぼ受けなかったが、代表者が海外へ長期滞在することが難しい状況であったことから、ドイツの共同研究者を短期間招聘し、国内において研究を進めることができた。2024年度は現地に滞在し本格的に研究をスタートできる見込みである。前年度に引き続き、新疆地域出土品および関連文献等の収集と、壁画などの図像資料の収集・分析、さらにこれに関連した研究の現状をまとめたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年6月からドイツおよび中国に渡航予定であったが、新型コロナウイルス情勢が重なってしまったため、渡航延期を余儀なくされ、現在まで長期滞在を実施できていないことから、「やや遅れている」とした。 2022年度は短期ではあるがドイツへの渡航が叶ったたが、代表者が海外へ長期滞在することが難しい状況であったことから、2023年度にドイツの共同研究者を短期間招聘し、国内において研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスまん延を受けて、中国の受け入れ機関が外国人の受け入れを2020年から制限していたが、昨年度に受け入れを再開したことから、2024年度は渡航できる見込みである。9月~12月は中国、1~3月はドイツ滞在を予定しており、本格的に研究をスタートする計画である。 万が一、今年度も渡航が叶わなかった場合は、引き続き国内において関連資料を収集・分析するとともに、海外の共同研究者と連絡を取り合い研究を進め、学会等で本研究成果を報告したいと考えている。
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