Project/Area Number |
19KK0327
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 23030:Architectural planning and city planning-related
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
式 王美子 立命館大学, 政策科学部, 准教授 (10512725)
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Project Period (FY) |
2020 – 2024
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥13,650,000 (Direct Cost: ¥10,500,000、Indirect Cost: ¥3,150,000)
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Keywords | 都市住宅政策 / 公営住宅 / 家賃補助 / 低所得世帯 / 都市再生 / 民間賃貸住宅 / 居住地移動 / 住宅政策 / 居住地移住 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、基盤研究Cにて取り組んでいるロサンゼルスと関西都市を対象にした日米都市における家賃補助(社会住宅政策)の移住効果に関する研究を発展させ、応募者が米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院ルイス研究所(Lewis Center for Regional Studies)に研究員として滞在し、同研究所研究者の協力を得て調査を実施する。現地での長期的かつ実質的な研究への関与を実現することで、①シカゴに対象地を拡大しロサンゼルスとの比較・補完的分析により研究を深化させ、②現地関係者との綿密な調整による研究体制の確立により実証研究の実効性・安全性を高めることで研究活動を各段に進化させる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、米国大都市における公営住宅から家賃補助制度への住宅政策の政策転換と都市構造の変化の関係性を明らかにすることを目的としている。研究代表者は、2020年7月末から2021年8月末まで米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA: University of California at Los Angeles)大学院都市計画研究科ルイス地域政策研究所に、客員研究員(Visiting Scholar)として研究を実施した。帰国以降は、滞在中に着手したシカゴを中心とする米国都市のデータ分析の収集、整理、分析を実施している。主な研究実績は以下の3点にまとめられる。 ①米国滞在中に収集した、米国国勢調査個票データによるシカゴ都市圏のシカゴ市及び周辺都市に関する1980年代以降の産業構造及び就業人口の変化について分析を実施した。分析により、1980年にシカゴ市の従業人口全体の23.4%を占めトップシェアであった製造業の従業人口が、30年後には8.5%にまで縮小していることがわかった。これらの結果から、シカゴ市においては、高学歴従業人口を集めながら製造業から高技能産業へと産業構造の再編が急速に進展し、都市の再生に貢献していることが確認できた。 ②過年度から収集している米国連邦政府都市住宅開発省(HUD)が所有する公営住宅及び家賃補助受給者に関する過去約25年間の時系列データを使って、シカゴ市住宅局が取り壊して公営住宅団地住戸や家賃補助住戸の空間的分布について分析した。その結果、1990年代後半以降、シカゴ市の住宅政策改革により公営住宅は都心周辺から一掃され、住宅バウチャー住戸へと姿を変えて、地域的に偏りながらもシカゴ市の外側に向かって分散されたこことがわかった。 ③①②の研究結果を論文としてまとめ、学術雑誌『政策科学』にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍による様々な影響を踏まえて研究計画の見直しを続けている。その結果、一定の研究作業を実施することができたが、以下の理由により研究作業が やや遅れている。 ①世界的なコロナ・ウイルスの拡大を受けて以降、2020年3月から2021年9月にかけて、研究対象の米国において、関係大学や関係政府機関が長期的に閉鎖 し、オンラインによる研究の調整や作業を進めたが、研究作業が大幅に遅滞した。 ②大学閉鎖や人材確保の困難から、現地での大学院生アシスタントの確保に時間を要した。 ③日本におけるコロナの拡大や長期的なコロナ対策により、大学の教育業務及び本人・家族が長期的に影響を受け、研究エフォートを削減せざるを得なくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の研究作業の遅れに関して次のように対応したい。 まず、コロナ禍により影響による研究の遅れへの対応のため、研究期間をさらに1年間延長することにする。 2023年度に実施した都市データについて、さらに必要な分析箇所を検討しながら研究成果をまとめる準備をすすめる。米国都市の統計データの収集に関しては、英語資料の読解ができ、米国における統計データや空間分析について経験のあるUCLAの大学院生を研究補助員として雇用し作業を進める。シカゴ市における現地視察を計画し、データ分析で確認された都心再生状況について観察を実施する。 また、米国滞在中に実施したロサンゼルスの家賃補助制度に関するロサンゼルス市住宅政策課へのオンラインでのヒアリング調査の結果について、さらなる分析が必要な箇所について検討する。収集した米国都市の住宅政策データや家賃価格データの分析や文献調査から得られた知見を加えて研究成果としてまとめ、発表の準備をする。UCLAの研究協力者や研究補助員とは、ZOOMにて定期的にミーティングを実施して、研究作業の進捗状況について確認する。
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