Observation of pure spin current using polarization and phase control of terahertz waves
Project/Area Number |
19KK0346
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 13020:Semiconductors, optical properties of condensed matter and atomic physics-related
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Research Institution | University of Yamanashi (2021-2022) Tokyo University of Agriculture and Technology (2019-2020) |
Principal Investigator |
伊藤 宙陛 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (60724127)
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Project Period (FY) |
2020 – 2023
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥15,210,000 (Direct Cost: ¥11,700,000、Indirect Cost: ¥3,510,000)
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Keywords | フェムト秒レーザー / 位相制御 / 偏光制御 / 半導体 / スピントロニクス / テラヘルツ波 / 超高速光科学 / ベクトル波形整形 |
Outline of Research at the Start |
電子スピンの自由度を用いたスピントロニクスは、従来の電荷を利用したエレクトロニクスに対して高集積化、省電力化で優れている。トポロジカル絶縁体はスピントロニクス材料として注目されているが、いまだ純粋なスピン流の生成、観測は実現していない。近年台湾は自国の技術力の向上に国を挙げて取り組んでおり、半導体およびトポロジカル絶縁体などを用いた電子デバイスの開発が盛んである。一方日本においては高速光科学分野の需要が高まり、本研究室はテラヘルツ波の電場ベクトル制御に成功している。この技術を適応することで純粋なスピン流の生成と観測が可能となり、スピントロニクスの分野で大きく世界をリードすることが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は基盤研究(C)課題番号18K03487を基課題とし、照射する光の位相と偏光状態を制御することによって固体中の伝導電子の位相とスピン状態を操作する究極的な光-キャリヤー制御を目指す試みである。この目的を設定したうえで、台湾国立成功大学における電子デバイス開発と台湾国立陽明交通大学におけるテラヘルツ波発生機構および山梨大学(代表者が東京農工大学から異動)におけるレーザー波形整形技術開発を相乗効果的に発展させる計画である。 研究代表者は本課題申請時に所属していた東京農工大学から山梨大学に赴任したが、研究協力者との関係は維持し、山梨大学、東京農工大学、台湾国立陽明交通大学、台湾国立成功大学の国際協力体制のもと本課題は進められた。さらに研究代表者はホログラフィックを専門とする山梨大学の本間聡准教授と研究室の共同運営を実施しており、本間聡准教授には研究協力者として本研究課題に参加し光の空間的な制御の概念を取り入れることとした。 令和4年度は渡航禁止が徐々に緩和されたためオンラインベースから台湾現地での研究開発体制に移行した。その成果として本課題開始当初から開発していたテラヘルツパルスのポンププローブ光源が完成し、国際共著として「Few-cycle THz wave manipulation with a high degree of freedom via f-t modulation」のタイトルでOptics Letter誌に掲載された。 本課題申請時には令和4年度を最終年度と設定していたが、渡航禁止による開発の遅れや、成果発表の不足から延長申請をし、本年度は引き続き開発を進めるとともに国際シンポジウムを主催する方針である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度の前半は日本と台湾間の渡航が禁止されていたため、計画の遂行はオンラインベースで情報共有しながら各研究機関でそれぞれ開発を進めた。 両国間の渡航が秋以降に解禁されたため台湾国立陽明交通大学のHao-Keng Wei博士を外国人研究者として山梨大学に招聘し、10月17日から12月26日までのべ71日間、研究代表者と共同で本研究課題を遂行した。また研究代表者は3月13日から3月25日までのべ13日間、台湾国立陽明交通大学に滞在した。その間、研究協力者であるChih-Wei Luo教授の研究室においてテラヘルツポンププローブ装置の開発および令和5年度に主催予定の国際シンポジウムの準備を遂行した。 これらの開発によって研究計画当初から予定していた異なるエネルギー範囲でポンプとプローブが可能なテラハルツ周波数における波形制御が格段に進歩し、テラヘルツダブルパルスの周波数、偏光、時間間隔の独立制御機構が完成した。この成果は国際共著により「Few-cycle THz wave manipulation with a high degree of freedom via f-t modulation」というタイトルでOptics Letter誌に掲載された。 各研究機関の国際的な連携も積極的に実施できるようになり、延長期間も含めるとおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
オンラインベースで実施するテラヘルツパルスの波形制御技術の開発は継続し、その制御性の優位性を示すための実証実験をおこなう方針である。 成果発表の不足分については、自ら国際シンポジウムを主催し成果の公表および情報交換の場を創出する方針であり、9月に台湾での開催に向けて準備を進めている。 研究代表者は所属機関の変更に伴い、山梨大学の本間聡准教授と研究室の共同運営を実施している。本間聡准教授はホログラフィックをはじめとした光の空間分布制御の専門家であり、研究代表者との議論から光の時空間制御こそ本課題の究極的な到達目標であるとの結論に至った。従って本間聡准教授と研究代表者との共同運営の研究室所属の大学院生、学部学生を研究協力者に追加し本課題の研究開発および成果発表を実施する。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Femtosecond X-ray spectroscopy of haem proteins2021
Author(s)
Bacellar C.、Kinschel D.、Cannelli O.、Sorokin B.、Katayama T.、Mancini G. F.、Rouxel J. R.、Obara Y.、Nishitani J.、Ito H.、Ito T.、Kurahashi N.、Higashimura C.、Kudo S.、Cirelli C.、Knopp G.、Nass K.、Johnson P. J. M.、Wach A.、Szlachetko J.、Lima F. A.、Milne C. J.、Yabashi M.、Suzuki T.、Misawa K.、Chergui M.
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Journal Title
Faraday Discussions
Volume: 228
Pages: 312-328
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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