Multi-degree-of-freedom soft actuator integrating jamming transition phenomenon and microhydraulic pressure sources
Project/Area Number |
19KK0375
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 18040:Machine elements and tribology-related
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
金 俊完 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (40401517)
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Project Period (FY) |
2021 – 2023
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥15,210,000 (Direct Cost: ¥11,700,000、Indirect Cost: ¥3,510,000)
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Keywords | ソフトロボット / ジャミング転移現象 / 電界共役流体 |
Outline of Research at the Start |
生体を模するソフトロボットの可変剛性メカニズムとして,ジャミング転移現象と電界共役流体 (Electro-Conjugate Fluid: ECF) ジェットの負圧を融合した新たな方法を提案する.すなわち,ジャミング転移に必要な内圧制御を内蔵されたECFマイクロポンプで行う.まず,可変剛性機能と能動的変形機能を両立できる1自由度モジュールを実現し,この有効性を確認する.このモジュールを直列に連結させたアクチュエータでハードとソフトが共存する多様なソフトロボットを開発する.
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Outline of Annual Research Achievements |
生体を模するソフトロボットの可変剛性メカニズムとして,ジャミング転移現象と電界共役流体 (Electro-Conjugate Fluid: ECF) ジェットの負圧を融合した新たな方法を提案している.この手法は,ソフトロボットの一部に粒子ジャミングを使用することにより,この部分の剛性をソフトからリジッドにアクティブに切り替えることができる.従来のジャミングシステムの課題はかさばる真空ポンプが必要でありシステム全体を小形化できないことであったが,本研究ではソフトアクチュエータに高出力密度を有する電気共役流体(ECF)マイクロポンプを直接埋め込むことで解決できる. 本年度では,どのような微粒子がECFジェットの圧力によるジャミング転移現象に適しているかを明確にしている.従来の空気圧ジャミング転移現象とは異なり,微粒子間に存在するECFが潤滑油のような役割をし,ジャミング転移現象を低下させる可能性がある.多様な微粒子を検討し,粒子の鋭さ,ランダムなサイズ,多角形の表面がECFによるジャミング転移現象に適していることを明らかにしている. ジャミング転移現象に必要な十分な圧力と流量を発生できるマイクロ液圧源を実現することを目標にカーボンナノチューブ(CNT)を用いて製作する新たな針-リング形電極対を提案している.これを実現するために,化学気相堆積(CVD)法の実験装置を構築し,多様なパラメータの最適化を行っている.CVD法によりCNT構造体を製作はできたものの均一に歩留まり100%の針-リング形電極対の製作にはさらなる最適化が必要であることを明確にしている. 可変剛性機能と能動的変形機能を両立できるモジュールを実現し,このモジュールを直列に連結させたアクチュエータでハードとソフトが共存する多様なソフトロボットを開発し,その有効性を明確にしている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,圧力源を搭載したマルチモジュールによる局所的な可変剛性機能と能動的変形機能を組み合わせた多自由度ソフトロボットを実現し,この有効性を示すことを目的にしている.昨年度までに,可変剛性機能と能動的変形機能を両立できる1自由度のモジュールを実現し,この有効性を確認している.本年度は,このモジュールを複数個直列に連結させたソフトロボットを実現し,ソフトとハードが共存する指の軌道マッチングや柔軟な生体システムの湾曲が可能であることを明らかにしている.可変剛性機能と能動的変形機能を両立できる1自由度のモジュールとこのモジュールを組み合わせたソフトロボットの開発に成功しているために,おおむね順調に進展していると判断できる. その詳細として,多点曲げ動作が可能なソフトロボットの製作に成功している.モジュールの連結方法により,一方向屈曲ソフトロボットと両方向屈曲ソフトロボットの2つの構成が可能であることを示している.各モジュールの剛性をアクティブに制御することで,ソフトロボットの屈曲点を形成でき,本研究で提案したソフトロボットは多点曲げの動作ができることを実験的に明確にしている.一方向屈曲ソフトロボットとして,5個のモジュールを組み合わせ,フィンガを実現している.ソフト (関節)とハード (骨)をECFポンプへの印加電圧のみで制御できるため,指の各セグメントを模倣することができている.ECFポンプによるジャミング現象でソフトロボットの機械的強度が3.4倍に向上することになり,物体の把持などが可能であることを明確にしている.両方向屈曲ソフトロボットは基本的に一方向屈曲ソフトロボットと同じ構成であるが,曲がる部分(ベローズ)を交互に配置したものである.両方向屈曲でも同じように各モジュールの剛性を変えられるので多機能の動作が可能であることを明らかにしている.
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Strategy for Future Research Activity |
次のステップとして,ジャミング転移現象を用いて変拘束要素を実現する.加圧により伸長する太いチューブを中心に配置し,その周囲に3本の細いチューブを120°間隔で接着する.細いチューブ内には粉体を封入し,減圧によってジャミング転移現象が発生し剛性が変化するようにする.3本のジャミングチューブと中心の駆動チューブはそれぞれ別のマイクロポンプで駆動する.ジャミングチューブは無減圧時には中心の駆動チューブとともに伸長しアクチュエータは湾曲しない.3本の内1本のジャミングチューブを減圧すると剛性が増大し,そのジャミングチューブは変位拘束要素へと切り替わる.この状態で駆動チューブへ加圧を行うと変位拘束要素である減圧したジャミングチューブが内側となるように全体が湾曲する.3本のジャミングチューブの剛性を変化させることで自由な湾曲が達成される. 最後にステップとして,高度な多自由度ソフトロボットを開発する.1本のチューブの内部は3つの駆動チャンバに分かれており,さらに中心部分に1本のジャミングチャンバを有する.3つの駆動チャンバ及びジャミングチャンバは異なるマイクロポンプで駆動される.アクチュエータの能動的な変形は3つの駆動チャンバ内の圧力を制御することによって達成される.またジャミングチャンバは各チャンバ無加圧時の外力による変形のしやすさの変化だけでなく,能動的に変形させた形状の保持を可能とする. 上記の多機能アクチュエータを実現するために,高出力パワー密度のECFマイクロ液圧源が必要である.現在のMEMSプロセスで製作する三角柱-スリット形電極対では出力パワー密度が足りなく,2次元集積化しても十分な性能を得ることができたい.この問題点を解決するために,カーボンナノチューブからなる針-リング形電極対とその3次元集積化を行い,現在よりも10倍程度出力パワー密度の向上を目指している.
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)