Project/Area Number |
19KK0385
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 45030:Biodiversity and systematics-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
狩野 泰則 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (20381056)
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Project Period (FY) |
2020 – 2024
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥15,210,000 (Direct Cost: ¥11,700,000、Indirect Cost: ¥3,510,000)
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Keywords | 深海 / 多様性 / 進化 / 生物地理 / 幼生 |
Outline of Research at the Start |
熱水と冷湧水を含む深海化学合成生態系の動物種は,いついかなる環境から,どのように現在の系に進出したのか? また化学合成系外の深海,特に6,500m以深の超深海において,何が種の垂直・水平分布を規定し,種分化はどのように生ずるのだろうか.本国際研究では,フランス・スウェーデン・ドイツ・英・米国の各研究機関の深海性貝類と化石試料を解析すると共に,ゲノム解析と形態比較の新手法を導入,各国第一線研究者とのネットワーク構築を進め,多角的な議論を行うことで,深海における動物進化の全球的・統合的理解をめざす.
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Outline of Annual Research Achievements |
熱水・冷湧水や鯨骨・沈木周辺堆積物を含む深海化学合成生態系の動物種は,いつ,いかなる環境から,どのように現在の系に進出したのか? また,化学合成系外の深海,特に 6,500 m 以深の超深海において,何が種の垂直・水平分布を規定し,種分化はどのように生ずるのだろうか.申請者は基課題において,巻貝を主な対象とし,1)個々の系統における生息環境と深度分布の把握,2)系統樹構築と化石記録参照による各環境・深度への進出ルートと絶対年代の探索を行っている.また,3)初期発生様式が,異なる環境・水深・地域間の移動を規定するとの仮説のもと,幼生生態の解明を通じて化学合成系と超深海における動物の起源と進化を理解しようと試みている.そこで本国際共同研究では,1)各研究機関の深海性貝類および化石試料を大規模に解析すると共に,2)ゲノム解析と形態比較の新手法を導入し,更には 3)世界各国の第一線研究者とのネットワーク構築を進め,多角的な議論を行うことで,深海動物の進化について全球的かつ統合的な理解をめざす. 研究期間の4年目である2023年度には,夏季に3か月間のヨーロッパ滞在を行った。この期間中、滞在先であるZoologische Staatssammlung Muenchen(ドイツ・ミュンヘン)、Museum national d'Histoire naturelle(フランス・パリ)、The Natural History Museum, London(イギリス・ロンドン)、Naturhistoriska riksmuseet(スウェーデン・ストックホルム)において、深海性腹足類の試料調査ならびに解析、共同研究者らとの研究、共著論文の執筆を実施した。日本滞在中の研究としては、上記ヨーロッパ滞在後の秋期に白鳳丸での千島・日本海溝調査を実施し、採集試料の形態的・分子系統学的解析を行った.成果の一部は2023年4月以降に3編の論文として公表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
白鳳丸航海日程の都合により、在外研究の期間を3ヶ月の短期とせざるを得なかった。また海外共同研究者の招へいを実施できなかった。既存データの論文化については概ね予定通り実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間をさらに1年間延長し、本年10月から11月にかけてヨーロッパ各国への再訪を予定している.日本滞在中の研究打ち合わせに関してはこれまで通りZoom利用による会議と電子メール利用を中心として実施し、また海外共同研究者を招へいする.データの論文化を進めるとともに、全体の取りまとめを完了する.
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