Project/Area Number |
19KT0017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 特設分野 |
Research Field |
Agricultural Resources for the Next Generation
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
安江 紘幸 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター, 主任研究員 (40508248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 敬夫 東京農業大学, 国際食料情報学部, 准教授 (70584564)
河野 洋一 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (80708404)
間々田 理彦 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (60624591)
大室 健治 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 西日本農業研究センター, 主任研究員 (70455301)
原 温久 東京農業大学, 国際食料情報学部, 准教授 (50747293)
下口 ニナ 東京農業大学, 国際食料情報学部, 准教授 (90468695)
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Project Period (FY) |
2019-07-17 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥17,940,000 (Direct Cost: ¥13,800,000、Indirect Cost: ¥4,140,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2020: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2019: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
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Keywords | エシカルフードチェーン / エシカルビジネスモデル / エシカル消費 / オクトパスモデル / 利他的意識 / 個人的倫理観 / 倫理的消費 / 醸造業 / 農福連携 / フェアトレード / 復興応援 / 共感(ケア) / エシカル / 農畜産業 |
Outline of Research at the Start |
EUでは、ロンドン五輪を機に人・社会・環境・地域への倫理的配慮に基づくモノづくりや消費行動としてエシカル消費を推進している。日本国内でも、農畜産業と酒造業が地域内で生産される原料を調達して優先的に地域内で消費されるようなフードチェーンを構築し、エシカル消費を牽引している事例が見られる。本研究では、エシカル消費に関わる農畜産業と酒造業の生産段階から加工・流通段階までをエシカルフードチェーンとして捉え、各段階における費用負担の実態解明とエシカル消費の動機づけとなるラベル認証・法制度のあり方を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、エシカルビジネスモデルやエシカルフードチェーン、エシカル消費行動について、昨年度検討した分析枠組みに基づいて分析した。まず、エシカルビジネスモデルについては、国際統合報告評議会が公表したフレームワークの中核概念であるオクトパスモデルを適用して事例分析を行い、環境や社会、人(他者)との関係に対する倫理的な配慮を視野に入れたエシカルビジネスの実態把握とそのアウトカム評価法について考究した結果、包括的な視点でビジネスモデルを評価できる可能性が示唆された。次に、エシカルフードチェーンについては、地域の農業者(農家)との強い信頼関係の元での連携、加工事業による農家所得の向上、人への配慮として従事者のQOLの向上への高い意識、消費者の評価等から、賃金やラベルの問題等いくつか課題はあるものの農福事業は十分に「エシカル」として成立することを明らかにした。続いて、エシカル消費については、本研究の分析結果においても、「エシカル消費」を内容まで知っているという人は1割を満たず、約7割の回答者がエシカル消費の意味を知らないという結果が得られた。特に教育水準が高くなるほど、「知っており購入有り」の割合が高くなり、逆に教育水準が低くなるほど「知らないで購入無し」の割合が高くなるという傾向が確認できた。そして、「エシカル消費」を知らないでエシカル商品を購入している人は、とくに女性かつ高齢者層であることが分かった。また、エシカル消費を知っていて購入している人と認知の有無にかかわらず購入しない人との相違は、利他的意識や震災・災害経験関係、環境意識によって規定されていることが示唆された。これらの分析結果を踏まえ、エシカルフードチェーンの分析枠組の一つとして有力視しているバリューチェーンの構造分析やインテグレーションに関する理論化を進めるとともに、実態分析を行う上でのフレームワークの精緻化を図った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の拡大にともない、今年度実施予定であったヒアリング調査や海外調査の設計および実施が遅れている。本年度は、海外を含む現地調査にかわって、Webアンケートによって得たデータの解析を進めた。今年度は最終年度であったが、コロナの影響により当初設定した課題の解明が未達のために1年の延期を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までに実施できた国内のエシカル消費に関するWebアンケートやヒアリング調査の結果をもとに、エシカルフードチェーンを分類した上でその成立要件を評価する。また、コロナの影響により海外調査が困難であることを踏まえ、エシカル消費に対する海外消費者の認知状況と購買行動の特徴を把握する目的で、海外に居住する消費者を対象にWebアンケートを実施する。さらに国内で先進的にエシカル農業やエシカル消費に取り組む都道府県の施策効果を検討するため、行政担当者や農業者、実需者に対してヒヤリング調査を実施し、エシカル消費を内外から推進する者の役割を検討する。
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