DNA損傷に応答した修復遺伝子の修飾と発現制御による発がん抑制機構の解明
Project/Area Number |
20012006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
田内 広 Ibaraki University, 理学部, 教授 (70216597)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥8,700,000 (Direct Cost: ¥8,700,000)
Fiscal Year 2009: ¥4,400,000 (Direct Cost: ¥4,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
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Keywords | 発がん抑制 / DNA損傷修復 / NBS1 / タンパク質修飾 / タンパク質就職 |
Research Abstract |
発がんに至る過程では、DNA損傷修復ミスによる遺伝子突然変異よりも遺伝子発現制御の異常やエピジェネティックな変化の寄与が大きいと考えられる。本研究では、正確な修復とされる相同組換え修復、S期チェックポイント、そしてDNA損傷誘発アポトーシスの3つを制御するNBS1タンパクの変異あるいは新規の翻訳後修飾が、DNA損傷応答にどのような影響を与え、その結果として損傷修復精度やアポトーシスがどのような制御を受けるのかを解析する。まず、NBS1タンパクがこれまでとは異なる新規の翻訳後修飾を受けることを示唆するデータを元にして、この部位に変異があるNBS1タンパクをナイミーヘン症候群患者細胞に発現させて表現型を解析し、この部位がDNA損傷で起きるアポトーシスの誘導に深く関与していることが明らかにした。本年度は、さらにその部位が正確なDNA損傷修復である相同組換え修復にも関与している可能性を示唆するデータが得られた。また、その翻訳後修飾で付加される分子が何であるのかを明らかにするために、標識NBS1タンパクを発現する細胞系を樹立したが、より詳細な解析のために修飾分子を標識して発現させ、そこに全長NBS1の他に修飾部位を変異させたNBS1を発現する細胞系の樹立を行った。それらの細胞系を用いてのNBS1の修飾に働く分子の特定と修飾部位の確認は現在行っているところであり、期間内に最終的な結論までには至ることはできなかったが、NBS1新たな機能の解明つながる細胞系の樹立には成功した。本研究の成果を元に、さらに翻訳後修飾の確認を完了させることで、遺伝子発現制御による発がん抑制機構の解明に有用な知見として生かすことができると考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)