Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
我々はこれまでに、ApcとSmad4の両方に変異を有するマウス(Apc+/Δ716 Smad 4+/-マウス)が、C57BL/6系統では腸管内に多数の悪性腺がんを発生するが、BALB/c系統ではほとんど腸がんを発生せず、巨大な皮膚がん(悪性増殖性毛包嚢胞癌)を発生すること、及び急性骨髄性白血病(AML)様の症状を併発することを見出した。そこで本研究課題では、系統により発がん部位が変化する理由、及び皮膚がんとAML様病変の相互関係を解明することを目的とした。本年度は、BALB/c-Apc+/Δ716 Smad 4+/-マウスの皮膚がん組織からmRNAを精製し、マイクロアレ解析を行ったところ、皮膚がん組織において以下のような分子の発現亢進を見出した。(1)細胞の増殖に関与すると思われる分子、(2)ミエロイド系細胞の増殖を誘導すると思われる分子、(3)wnt系の下流に存在すると思われる分子、(4)がん抗原として知られている分子。次年度は、これらの分子を中心に解析を進める予定である。また、発がん臓器を決定する遺伝素因を解明する目的で、BALB/c-Apc+/Δ716 Smad 4+/-マウスをいくつかの系統と交配し、連鎖解析を試みて来たが、これまでに用いた系統はいずれも連鎖解析には適していなかった。そこで、本年度は腸がんに抵抗性であるC3Hマウス、及びAKRマウスに5世代にわたって戻し交配を行った。その結果、C3H-Apc+/Δ716 Smad 4+/-マウスは、ほとんど皮膚がんを産生せず、AKR-Apc+/Δ716 Smad 4+/-マウスはBALB/c-Apc+/Δ716 Smad 4+/-マウスよりも巨大な皮膚がんを数多く産生した。このことより、AKR系統とC3H系統の交雑マウスを用いて解析することにより、連鎖解析ができる可能性が示唆されたため、交雑マウスの作製を開始した。
All 2009 2008
All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 4 results) Presentation (7 results)
J. Immunol. (印刷中)
Int. Immunol. (印刷中)
Invest Ophthalmol Vis Sci. (印刷中)
Gastroenterology 135
Pages: 1333-43