環境破壊によって増大する発がんリスクとその分子メカニズム
Project/Area Number |
20012030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菱田 卓 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (60335388)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥11,000,000 (Direct Cost: ¥11,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥5,500,000 (Direct Cost: ¥5,500,000)
Fiscal Year 2008: ¥5,500,000 (Direct Cost: ¥5,500,000)
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Keywords | DNA損傷トレランス / DNA相同組換え / DNA複製 / 酵母 / ユビキチン / 紫外線 / DNA修復 / 突然変異 |
Research Abstract |
紫外線はDNA塩基損傷を引き起こす主要な環境要因であり、細胞死や突然変異などのゲノム不安定性増大の原因となることが知られている。紫外線によって傷ついたDNAは、主にヌクレオチド除去修復機構(NER)によって取り除かれる。酵母のNER欠損株は、高線量のUVを短時間で照射するという従来の手法では致死率が極めて高く、ゲノム安定性について調べることは困難であった。しかしながら、我々が最近開発した環境レベルに近い非常に弱いUVを慢性的に照射する手法(CLUV法)を用いると、NER欠損株は野生型と遜色なく増殖することができるため、ゲノム安定性について調べることが可能となった。そこで、Arginine PermeaseをコードするCAN1遺伝子座における突然変異をカナバニンに対する抵抗性で検出する前進突然変異検出系を用いて変異頻度を測定したところ、突然変異頻度がCLUV照射下において経時的に増大することがわかった。さらに、CAN1遺伝子変異体の変異箇所をシークエンス解析した結果、紫外線によるピリミジンダイマー由来と考えられる突然変異がその大部分を占めており、特にシトシンからチミンへの変異が特異的に増大していることがわかった。ヒトのNER遺伝子に異常のあるXP患者は、通常に比べて太陽光に対して非常に高い感受性を示し、発がん率も1000倍近く高いことが知られている。今回の変異スペクトラムの結果は、ヒトのNER遺伝子に異常のあるXP(色素性乾皮症)患者由来の細胞から得られる突然変異スペクトラムの結果に非常に近いことら、酵母のNER欠損株はCLUV法と組み合わせることで、XP患者の高頻度の発がんメカニズム解明の良いモデル系となることが期待できる。
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Report
(2 results)
Research Products
(20 results)
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[Book] 生化学2008
Author(s)
菱田卓
Total Pages
3
Publisher
日本生化学学会
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