染色体の恒常性に関わるキナーゼ間のクロストーク機構の解明
Project/Area Number |
20012055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
後藤 英仁 Aichi Cancer Center Research Institute, 発がん制御研究部, 室長 (20393126)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥10,800,000 (Direct Cost: ¥10,800,000)
Fiscal Year 2009: ¥5,400,000 (Direct Cost: ¥5,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥5,400,000 (Direct Cost: ¥5,400,000)
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Keywords | がん / チェックポイント / Chk1 / Cdc25A / 14-3-3 / Cdk1 / サイクリン依存性キナーゼ / ATR |
Research Abstract |
染色体の恒常性に関わるChk1の新規リン酸化反応の生理的意義を解析し、以下の成果を得た。 1) 分裂期におけるChk1のセリン286・301のリン酸化反応 我々は、以前、Cdk1が分裂期においてChk1のセリン286・301をリン酸化していることを報告した。今回、Chk1が分裂前期(prophase)において核内から細胞質に放出されること、この核外移行がCrm-1依存性に引き起こされることを見出した。この核外移行がリン酸化反応依存性であり、この核外排出過程が障害されると、分裂期への移行が遅延することが判明した。これらの結果は、Cdk1とChk1の間にはポジティブフィードバック機構が存在し、この機構の活性化が分裂期への円滑な移行に重要な役割を担っていることを示唆するものである。 2) DNA障害の際に引き起こされるChk1のセリン296の自己リン酸化反応 阻害剤等を用いた解析から、このセリン296のリン酸化反応は、ATRによるChk1のセリン317/345のリン酸化反応依存性に引き起こされるものの、ATRではなくChk1そのものがそのリン酸化反応を遂行していることが明らかになった。さらに、Chk1の自己リン酸化反応は、Chkl/14-3-3γ/Cdc25Aとの3者複合体の形成を通じて、Chk1によるCdc25AのSer76のリン酸化反応を制御し、Cdc25Aのユビキチン化および分解反応を調節していることを明らかにした。 上記のシグナル伝達経路は、がんにおけるチェックポイント寛容の際に異常を生じていると考えられるが、その詳細については今後の研究課題といえる。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)